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最低時給は約1900円 やる気次第でまとまった貯金もできるオーストラリアの労働事情
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ワクチン接種済みの外国人に門戸を開放するなど、アフターコロナの経済再開が進むオーストラリア。海外生活体験の渡航先として人気が高い同国では、ワーキングホリデー(ワーホリ)旅行者や留学生も条件付きで就労することができます。また、給与水準の高さから方法次第ではまとまったお金を稼ぐことも不可能ではないようです。現地在住ジャーナリストの守屋太郎さんが同国で暮らすためのノウハウなどを解説するこの連載。今回から2回にわたりお届けするテーマは、オーストラリアでの仕事についてです。
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外国人のワーホリ・留学生に就労規制はあるの?
オーストラリアで日本人が気軽に海外生活を体験するには、就労が可能なワーホリや学生のビザを取得して渡航するのが一般的です。ビザの種類や準備については、以前のコラムで解説しています。
ワーホリビザの場合、基本的に職種や労働時間に制限なく働くことができる一方、「同じ雇用主のもとで最長6か月間しか働くことができない」という縛りがあります。雇う側にしてみれば「やっと仕事に慣れてきて、これからという時に辞めてしまうのか」となるでしょう。このため、よほどのスキルを持つ即戦力ではない限り、ワーホリの仕事はどうしてもすぐに業務内容を覚えられるものが多くなる傾向にあります。
ただ、アフターコロナの経済再開で人手不足が深刻化していることから、オーストラリア政府は2022年末までの期間限定で「6か月ルール」を解除しています。
一方、学生ビザの保持者については「2週間で最大40時間まで」という規則があります。留学の目的はあくまでも勉強。しかし、この規則も人手不足を解消するために緩和され、現時点では40時間以上働くことが可能です。
オーストラリアにおける現在の法定最低賃金(全国共通)は時給20.33豪ドル(約1900円)、週給772.60豪ドル(約7万2000円)。物価の変動に応じて毎年7月1日に改定され、ビザの種類や、パートタイム、フルタイムといった雇用形態にかかわらず適用されます。
最低時給は東京都(1041円)の実に2倍近い水準。フルタイムの仕事が得られれば、最低でも月給換算で30万円(税引き前)近く稼げる可能性があります。足元の人手不足の影響で、実際の賃金相場はもっと上がっているようです。
仮にワーホリ旅行者が2つの日本食店でランチとディナーの仕事をかけ持ちして、最低賃金の20.33豪ドルで1日10時間、週6日働いた場合、1週間で1219.8豪ドル(約11万3000円)、4週間で4879.2豪ドル(約45万2000円)を稼げる計算になります。
物価が高いので半分程度は家賃や食費などに消えていくでしょうが、税引き後でも手元に2000豪ドル(約18万4000円)以上残る可能性があります。実際に可能かどうかは別として、あくまで「やる気になれば」の話ですが、半年で100万円、1年で200万円ほど貯まるかもしれません。