どうぶつ
ドイツには野良猫がいない! 現地サッカーライターが移住後に知った国内の動物保護
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憧れの猫との生活を実現したい――。それが“動物福祉先進国”といわれるドイツの場合、一体どのようなルールがあるのでしょう? 4年前から現地に在住するサッカーライターで、大の猫好きでもある島崎英純さんが、ドイツで猫との生活を実現するプロセスをお届けするこの連載。2回目の今回は、移住後に知った「街中で野良猫を見かけない理由」についてです。
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ドイツ移住直後に違和感 野良犬も野良猫もまったくいない!
僕がドイツ移住を決意したのは2018年3月のことです。突然思い立ったような状況で、当初は最長6か月間に90日の滞在が可能な短期訪問ビザのみを携え、長期滞在ビザの取得や居住地探しは現地に着いてから行うという“見切り発車”でした。
今にして思うと、何て無謀だったのだろうと恥ずかしくなります。それでも、友達や現地で出会った方々の心温かなサポートを受け、これまで何とか暮らしてきました。
居住地が決まらなかった約1か月間は、フランクフルト(正式名称はフランクフルト・アム・マイン)市内中心部のフランクフルト中央駅近くのホテルに宿泊していました。中央駅の周辺はいわゆる繁華街が広がり、レストランやカフェの他に風俗店が点在する、正直治安の良くないエリアでした。
このような場所には野良の動物たちが集まるのが世の常ですが、同地で過ごしてしばらくしてから、あることにふと気付いたのです。野良犬がいないのはもちろんのこと、野良猫の姿さえ1匹も見かけない! サッカーライターという職業柄、ヨーロッパの他の国やアジア諸国を多数訪れていた身として、このドイツの街での異変(?)に強烈な違和感を覚えたのです。
例えば、アジアとヨーロッパの境目に位置するトルコは、猫にとって一つの「安住の地」だと思っています。トルコ国内の街を歩いていると広場や道路、壁の上に至るまで、そこかしこで猫たちの姿が見られます。
“彼”や“彼女”たちは総じて朗らかに過ごしていて、良い意味で周囲に気をとめる様子がありません。猫たちの傍らにはごはんや水を入れた容器が置かれていて、街の住民たちが猫たちを手厚くもてなしています。トルコには猫に限らず動物に寛容な方々が多く、野良ではなく“すべての人たちの猫”として共生しているのです。