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猫は「シッポのある友達」 キャットシッターが心がける上でも下でもない関係性

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

「猫を飼う」ではなく「猫と暮らす」の真意

 岩崎さんは「猫を飼う」ではなく「猫と暮らす」、「エサ」ではなく「ごはん」という言葉を使います。なぜなら猫たちは“友達”であり、ペットではないから。こう考えるようになったのも、南里さんの影響だそうです。

猫団子状態になっている岩崎さんの愛猫レオくん、ムネくん、カイくん【写真提供:岩崎華枝】
猫団子状態になっている岩崎さんの愛猫レオくん、ムネくん、カイくん【写真提供:岩崎華枝】

「講座を受けるまで、私も猫は“ペットとして飼うもの”だと思っていました。でも、違うんですよね。今は“シッポのある友達”だと思っています。猫に対して上から決めつけるように接する人もいますし、自分を猫の下僕だという人もいます。私はそうではなく、対等に接したいと思います」

 猫の魅力に引き寄せられ、「ただの猫好きだったのに、こんなにハマるとは思いませんでした」という岩崎さん。これから先も変わらず、体が続く限り、猫のために働き続けたいと語ります。ただ、南房総エリアのキャットシッターは岩崎さん1人だけ。猫のためにも、同じように猫を愛する人物の登場を待っています。

「事業の拡大は考えていませんが、地域にキャットシッターが私1人しかいないので、引退する時はどうしよう……とは考えています。もしキャットシッターになりたい方がいれば、引退する時にそのまま事業をお渡ししたいなと。やっぱり困っている猫さんが増えるのは、私も困るんですよね」

 猫の幸せがこの先もずっとつながること。それが岩崎さんの幸せです。

◇岩崎華枝(いわさき・はなえ)※「崎」はたつざき
東京都出身。大手パンチェーン店に勤務していた夫とともに、東京・東大和市でパン店を開業。2005年に白猫のぽんさんと出会い、猫との暮らしが始まる。9年間営んだパン店を閉じ、2014年に夫妻と猫2匹で千葉・南房総市に移住。念願の海に近い街で自然に親しむ生活を送る中で、南里秀子さんの「キャットシッター養成講座」を受講する。2018年に「キャットシッターたまはな」を開業し、南房総エリアで留守番する猫の世話を始めた。現在は6匹の猫と一緒に暮らし、にぎやかな生活を送っている。

(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)