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日本にもほしい! 産後ケア施設文化 親日国台湾の出産・子育て事情を比較

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・白石 あゆみ

SB C&S株式会社に勤める台湾人のツン・ミアさん【写真:Hint-Pot編集部】
SB C&S株式会社に勤める台湾人のツン・ミアさん【写真:Hint-Pot編集部】

 人気の渡航先として注目される台湾だが、雇用の現場でも例外ではないようだ。日本で働く台湾人が増加傾向にあり、法務省の発表によると、2017年の在留台湾人数は5年前の2012年に比べ、約43%も増加している。SB C&S株式会社に勤めるツン・ミア(鄭 夙晴)さんも日本で働く台湾人のひとり。2010年に来日し、現在は、日本人男性と結婚し二児の母として働いているミアさんだが、日本と台湾、それぞれで出産を経験したという。諸外国に比べ、まだまだ無痛分娩数も低く、出産の常識が独特な日本。日本と台湾それぞれの出産、子育て事情について聞いた。

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無痛分娩に産後ケアセンターが一般的 台湾の出産事情

 ミアさんは、台湾で働いていたときに日本人男性の現在の夫と出会い、2年間の遠距離恋愛を経て、仕事をきっかけに日本へ移住。結婚後、第一子は日本の病院で出産し、第二子は長男を連れて台湾へ戻り里帰り出産したそうだ。ふたりの子ども達の出産、育児を通して台湾と日本で大きな文化の違いを感じたという。

「台湾での出産で嬉しかったのは、なによりも無痛分娩ができたことですね。上の子のときは日本で出産したので、金銭的なことも考えて普通分娩で頑張ったのですが、日本語と中国語交じりで、『もう帰りたい』『もうやめる』って騒いでしまいました。しんどくてしんどくて……」

 日本でも無痛分娩の認知度は上がりつつあるものの、まだまだ一般的ではないのが現状だ。また、費用が高額な病院も多いという。ミアさんが出産した台湾の病院では、無痛分娩は3万円ほどだったそうで、台湾では無痛分娩は日本に比べて一般的なのだそうだ。

 さらに、台湾では出産後一か月間には、厳格なルールがあるという。昔は、産婦はひと月家で安静にしていなければならず、特に産褥(さんじょく)期は風邪をひきやすいため、その間は頭髪を洗ってはいけないといわれていたそうだ。さすがに医療の発達した現代に、そのルールをきっちり守っている人は少ないというが、母親の身体がしっかりと回復できるまで休まければいけない習慣は残っているという。

「最近、台湾で流行っているのは『産後ケアセンター』。ホテルのようなキレイな施設に、泊まる人が増えています。子どもの入浴の仕方など、赤ちゃんのお世話を細かく教えてくれる他、ヨガ教室やエステ、美容室も通い放題。オプション料金もたまにありますが、施設のなかでゆったり生活できるように整えられています」

 ミアさん自身も、上の子を実家の家族にお願いし、20日間産後ケアセンターへ宿泊。一泊あたり2万円程度かかったそうだが、朝昼晩3食が付き、上記のようなサービスも料金に含まれていたそうだ。さすがに一か月丸々は高額だが、10日から2週間ほど利用するのは、近年一般的になってきているという。