仕事・人生
元準ミス日本の医師 親から子への結果主義押し付けに警鐘 「イップスになる可能性も」
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スポーツメンタルに取り組む32歳 信念は「話しやすいお姉さん」
「悔しい思いをたくさんしてきました。『スポーツメンタルに携わりたい』と言った時も、『選手と知り合いたいだけだろ』とささやかれ、その度にイラッとしてきました。
でも、男性と女性の区別は仕方ない。男性の精神科医で威厳がある方は多くいますが、私は『話しやすいお姉さん』でいいと思っています。患者さんの症状を聞いて、『では、この薬を』ではなく、雑談をして『楽しかった』と思ってもらうこと。笑顔になれる診察室が、精神科医である私の目的になっています」
木村さんはプライベートでも「楽しむ」を大切にし、大好きな(イングランド・プレミアリーグの)マンチェスター・シティの試合をリアルタイムで視聴することにこだわっていました。
「小学生の時、好きだった男の子がプレミアリーグのアーセナルを好きで、『じゃあ、私はマンチェスター・ユナイテッド』と言っていましたが、次第にシティのファンになっていきました。今季のUEFAチャンピオンズリーグも夜中に起きて見続け、準決勝でレアル(マドリード)に逆転負けした時は『もう、そっとしておいてください』という気分でした(笑)」
精神科医としてキャリアを重ねてきた木村さんは昨秋、大手芸能事務所のホリプロとマネジメント契約を結び、講演やイベントにも出演しています。
「診察をしていると“推し活”で元気をもらえている方に接しますし、また医師としての経験や知識をメディアから発信したい思いもあります。サッカー関連のお仕事もしたいですし、アニメや漫画好きでもあるので、その面での発信もできたらありがたいです」
心身健康で貪欲な木村さん。自身が精神科医を目指すきっかけになった親友とは、今もコミュニケーションを取っているそうです。
「彼女は高校3年生で摂食障害から脱しました。ただ、精神的な病はいつ再発するか分からないですし、私は彼女の良き友人であり、相談相手であり続けたいです」
医師を志して17年。木村さんは今後も「楽しむ」「楽しませる」のマインドで、さまざまなことに取り組んでいくつもりです。
1990年2月28日、東京都生まれ。東邦大学医学部卒。大学1年生で準ミス日本に輝き、芸能活動を開始。日本テレビ系「シューイチ」などに出演した。2014年に医師免許取得。慶應義塾大学病院での研修後は精神科医に。現在は脳疲労専門メディカルスパ「ブレインパーク」などでクリニック勤務を続けながら、産業医として企業の健康づくりに携わる。また、J1北海道コンサドーレ札幌のアカデミー、J2横浜FCのアカデミーでもメンタルアドバイザーを務めている。趣味はサッカー観戦とアニメ鑑賞。ホリプロ所属。
(柳田 通斉)