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トイレを何度も無心で流し続ける夫…鬱かと思いきや「男性更年期障害」に そのとき妻は
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「女性だけ」の症状と思われがちな、更年期障害。実は男性にも同様の障害が起こることがあることを、ご存じでしたか? 男性の更年期は「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH(ロー)症候群)」と呼ばれ、男性の性ホルモンが下がり、それにより様々な症状を引き起こすことをいいます。今回は、そんなLOH障害を経験したご夫婦の体験談をお送りします。
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夫に異変 ある日突然トイレを流し続けるように
妻の田中陽子さん(仮名・52歳・会社員)が夫の異変に気付いたのは、4歳上の夫の一馬さん(仮名)が、トイレに入ったときのことでした。
「我が家はいわゆる狭小住宅で、トイレと台所が近く、トイレの中で水を流したりクシャミをしたりすると、その音が台所まで聞こえてくるんです」と陽子さん。子育てを終え、夫とふたりきりの生活を始めたばかりの陽子さんにとって、そうした”生活音”が聞こえてくる毎日は、誰かが一緒にいてくれる安心感があったといいます。
しかし、昨年5月のとある日曜日。一馬さんがトイレに入ると、何度も何度も水を流す音が聞こえてきたというのです。
「そんなことこれまで一度も無かったのに、何度も何度も……数えていなかったので正確な回数は分からないのですが、7~8回は流していたと思います。どうしたんだろう? そう思って、トイレの外から声をかけると、ようやく出てきた夫は、なぜか額に汗を浮かべ、目がうつろな状態でした」
トイレから出た一馬さんに、なぜ何度も水を流したのか聞くと、「わからないけど、流さなければいけない気がした」と答えを言いよどんだといいます。夫のおかしな様子を気にしつつも、一馬さんは昨年春の時点で55歳になり、春の人事異動に伴い以前より責任ある役職に就いたこともあり、「疲れているのかな?」「ストレスが溜まって鬱気味なのかな?」と、陽子さんは思っていたそうです。
それから1週間ほど経ったある日の深夜。陽子さんは、ゴソゴソという物音で目が覚めました。一馬さんがトイレに起きたのだろう。そう思って再び目を閉じた陽子さんでしたが、なかなか一馬さんが戻ってこないことに不安を覚え、寝室を出て、一馬さんを探したといいます。
「普段なら、トイレに起きても、用を足せばすぐに部屋に戻ってきて、その数十秒後にはスースーと寝息を立てるような夫なんです。それが、5分待っても10分待っても戻ってこないので、さすがに不安になりました。ベッドから起きてそ~っと廊下に出ると、夫の気配がするのはやはりトイレでした。トイレの近くまで行くと、またしてもジャーーージャーーーと、何度も何度も水を流す音が聞こえてきたんです。その音を聞いた瞬間、なぜかゾ~~ッとしました」