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給与水準が高いオーストラリア 超円安時代に“出稼ぎ”は可能? 専門家の意見とは
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農場では半年で100万円以上貯金できる可能性も
そこで、北東部クイーンズランド州にあるバナナ農園で、箱詰め工場のパッキング作業に従事した実例を見てみましょう。まず時給24.80豪ドル(約2200円)で8時間就労するため、日給は198.40豪ドル(約1万7800円)。週に5日間として週給は992.00豪ドル(約8万9000円)、4週間として月給は3968.00豪ドル(約35万4000円)。手取りは3372.80豪ドル(約30万5000円)になります。
「頑張り次第では、毎月2000豪ドル(約17万9000円)以上の貯金が期待できるでしょう。セカンドワーホリ(ワーホリ2年目)を目指す人は最低3か月勤務する必要がありますので、合計6000豪ドル(約53万6000円)。サードワーホリ(3年目)を目指す人は最低6か月勤務なので、合計1万2000豪ドル(約107万1000円)を貯金できる可能性があります」
ただし、一般的なファームでの仕事は、干ばつや洪水による不作といった自然条件に左右されます。重労働に耐えきれなかったり、労働条件が悪かったりといった例も。ファームの仕事を選ぶ上での注意点はあるのでしょうか?
「ピッキングの仕事探しは骨が折れますね。ネット検索や口コミで現地に行ってみたら仕事がなかったということもありますし、『あそこのファームは稼げるよ』という情報を頼りに行ってみたら、週に数回しか仕事が入らないというケースもあり、ギャンブル的な要素があります。
そのため、ピッキングは稼ぎに行くというよりも、体験しに行くという気持ちを持って行くと良いでしょう。農場での作業や仲間との共同生活を通して、さまざまな人と触れ合いながら、自分自身を見つめ直したり、新しい発見をすることによって、感動が生まれてきます」
360度見渡す限り、広大な緑の大地が続くオーストラリアの農場。これほどスケールの大きな自然環境で仕事をすることは、普通の日本人にとって一生に一度の貴重な体験となるでしょう。そんな生活を楽しむことができれば、稼ぎは後からついてくるのかもしれませんね。
次回は、オーストラリアの住宅事情や住まいの探し方について、詳しく解説します。
(守屋 太郎)