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テディベアに性別はある? 「男の子でも女の子でもない」寄贈品めぐり英国で物議

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

テディベアは女の子か男の子か? ノンバイナリーの“自称”で物議(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
テディベアは女の子か男の子か? ノンバイナリーの“自称”で物議(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 ミュージシャンの宇多田ヒカルさんが2021年6月、インスタグラムのライブ中継で明らかにして注目を集めた「ノンバイナリー」。体の性別ではなく、自身の“性自認”を女性と男性に当てはめない(当てはまらない)人を指す言葉だ。多様性に対する認識が進むにつれ世界的に増加中だが、英国ではテディベアのぬいぐるみがこれを自称。地方都市の首長が任期終了の際に残した記念の品だったこともあり、SNS上などで物議を醸している。

 ◇ ◇ ◇

ダーリントン市長が任期満了で退任する際に残したテディベア

 海外セレブを含め、世界的に増えているノンバイナリー。SNSの自己紹介欄などに「they/them」などとある人は女性の「she/her」や男性の「he/his」を使わない人、すなわちどちらでもないノンバイナリーとされる。英国王室を舞台にしたネットフリックスドラマ「ザ・クラウン」で若き日のダイアナ元妃を演じた英国俳優のエマ・コリンも、この部分を「she/they」としている。

 そんな英国では、ぬいぐるみのテディベアがノンバイナリーを“自称した”と話題を呼んでいる。英メディアの報道によると、このテディベアはイングランド地方の都市ダーリントンで市長を務めたシンディ・ヒューズ氏が退任する際に残したもの。添えられた“テディベア直筆”とされる手紙には、ノンバイナリーを告白する部分が含まれていた。

「こんにちは。私の名前は市長ベア(Mayor-Bear)です。私はノンバイナリーのベア(クマ)です。ノンバイナリーの意味を知っていますか? ベアには男の子も女の子もいますが、私はノンバイナリー。これは私が男の子ベアでも女の子ベアでもないことを意味しています。私は“ただのベア“なのです(後略)」

 毛糸で編まれた「プラチナ・ジュビリー」(エリザベス女王の在位70周年)を祝うメダルが首に下げられたこのテディベア。市長がフェイスブックでこのテディベアと手紙の写真を公開すると、さまざまな意見が投げかけられた。

 この投稿自体への反応は少ないが、寄せられたコメントは「とても素敵なアイデアですね」といった賛辞の内容。一方で英大衆紙「デイリー・メール」は、俳優で政治活動家でもあるローレンス・フォックスがツイッターで公表した否定的な意見を紹介している。

「これは止める必要があります。我々は子どもたちを混乱させたり(意図的に)手引きしたりするのではなく、保護して導くべきです」

「性別は2つ存在します。男性と女性です」とも綴ったフォックスは、これまでも少し行きすぎた発言で騒動を起こした過去がある。そのためか、リプライ(返信)には「これはただのおもちゃのベアですよ」といった声が寄せられていた。