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テディベアに性別はある? 「男の子でも女の子でもない」寄贈品めぐり英国で物議

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「ベアの性別は子どもが決めるもの」という意見も

 ただし同紙は、他にも多様な声があるとしている。例えば、ジェブと名乗るユーザーは「小さな子どもたちはこんな風変わりな出来事と向かい合わなくてはいけないのか?」と発言したという。

 一方で肯定派の意見として「市長ベアはすべてリサイクル素材で作られており、(エリザベス女王の)プラチナ・ジュビリーも歓迎しているので、今年の思い出になるでしょう」といった内容も。

 また、ラッセルと名乗るツイッターユーザーは「テディベアが子どもに贈られた場合、その性別は子どもがつけるまで流動的です。子どもが決めてからオスまたはメスになります」と指摘したという。

 この「テディベアの性別は子どもが決めるもの」という意見は、「メール」紙がこれを伝えた記事に対する読者コメントにも見受けられた。

「テディベアは常にニュートラルなもの。誰が(かつて)男の子や女の子としてテディベアを(最初から)購入したのか。誰かが(性別を)つける必要がある」というその意見は、400件以上の支持を集めているが、それよりも多い500件以上を集めた意見は「何て病的な、病的な国に我々はなってしまったのか!」というものだった。

 ちなみに、宇多田さんがノンバイナリーであることを明かす直前、自身の親友とするテディベアを「彼はゲイ」と紹介していた。

 一方で「社会は性別に対して支配的ではないか」とする意見もある。「やれやれ、この世界には戦争と飢餓により命を落とす人々がいるのに、西側は専門用語をめぐって議論しているだけに思える」と、本件自体を皮肉な視点から見たものだ。

 多様性に対する認識が進む昨今、性や性別に関する用語も増えた。ノンバイナリーはその一つであり、パスポートや身分証明書の性別選択に「F(女性)」「M(男性)」以外の選択肢を設けている国や、相手の性別を特定しない「Mx.(ミクス)」などの敬称も存在する。そうした流れをはじめとするあらゆる変化を、世界はどのように受け止めるべきなのか。今回の一件は、それを考えるきっかけの一つになるかもしれない。

(Hint-Pot編集部)