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深刻な粉ミルク不足に陥った米国 自腹を切って母乳寄付を続ける母親に称賛の声
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金銭面だけでなく家族や仕事の時間を犠牲にしても続ける理由とは
また、多くの母乳を搾乳するには時間がかかるため、金銭面以外にも家族や仕事などの時間的な犠牲もあるとソッティーレさん。ある出張では、機内や空港のトイレなどで搾乳し、仕事の合間に1.7キロの母乳を確保したという。
そうした活動を続ける中で、ミルクがなくて困っていた家族と顔を合わせた際のエピソードも語っている。
「(母乳を保存している)小さなクーラーバックを開けて、(冷凍した)母乳をプレゼントしたんです。お母さんは驚いていました。感謝で涙も浮かべていました。誰かが母乳を手渡してくれるなんて思ってもみなかったのでしょう」
さらにソッティーレさんは次のように振り返っている。
「毎月92ドルかかりますし、ずっと搾乳機と一緒ですが、その価値はあります。喜んでくれる両親とうれしそうに飲んでいる赤ちゃんを見ることは、何物にも代え難いですから」
世界には現在、50か国に計600か所以上の母乳バンクが存在するという。日本では2014年に誕生。極低出生体重児が入院するNICU(新生児集中治療室)に、母乳がたくさん出る母親から寄付された「ドナーミルク」を無償提供するのがその役割だ。安全なドナーミルクを届けるために、さまざまな基準が設けられている。
(Hint-Pot編集部)