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栄養メリットが高い魚のアユ 養殖ものにたっぷり含まれている注目の栄養素とは?
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教えてくれた人:和漢 歩実
初夏を告げる魚といえばアユ。各地からアユ漁解禁のニュースが届く時期になりました。店頭でも梅雨の頃から見かけるようになります。丸ごと食べることができるアユは、栄養メリットも高い魚。市場に出回るのは養殖ものが多いですが、天然ものと違いはあるのでしょうか。栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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古くから日本人に親しまれてきた魚
アユは日本の淡水魚を代表する魚です。漢字で書くと「鮎」。語源には諸説ありますが、さかなへんに「占」が組み合わされたのは、占いによく使われていたことに由来するといわれています。古くは「古事記」や「日本書記」にもアユと見られる記述があり、遠征の際の占いに用いられたと伝えられている神秘的な魚でもあるのです。
その他、キュウリやスイカのような独特な香りから「香魚」とも、または一年で一生を終えることから「年魚」ともいわれます。
背側は青みのかかったオリーブ色で、腹面は白色。胸びれの後方にある黄色の鮮明な斑紋(はんもん)も特徴の一つです。海から川に遡上する時は群れを作りますが、川に定住するようになるとエサを守るためになわばり意識が高まります。石についた藻を食べて成長し、成魚は長さ20センチを超え、体全体が黄色っぽくなります。
ちなみに秋ごろに産卵のために下流へ移動するアユを「落ちアユ」と言います。体の色が黒っぽいさび色に変わるのが特徴です。