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からだ・美容

頭が臭う気がする…医師が教える原因と対処法 梅雨は頭皮臭に要注意

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:辻 晋作

頭皮の臭いを防ぐには皮脂や汚れを洗い流すこと 濡れたままにしないことが大切

 毎日髪を洗っているのに臭いが気になる方は、洗い流しが足りないかもしれません。シャンプーで髪の表面だけ洗っていては意味がなく、皮脂や汚れが溜まりやすい頭皮を洗い流すことが大切です。

 シャンプーをつける前に、ぬるま湯で頭皮と髪全体をしっかりと洗い流してください。整髪料をつけていなければ、これだけでもほとんどの汚れが落ちます。シャンプーはしっかりと泡立て、頭皮をゴシゴシとこすらないように指の腹で優しく洗いましょう。頭皮は他の皮膚と同じように、摩擦は負担になります。

 耳の後ろや後頭部、えり足は洗い残しやすい部分なので、意識して洗ってください。シャンプーで洗うだけではなく、しっかりとすすぎ、汚れを流してください。すすぎが甘いと頭皮や髪に汚れとシャンプー剤が残り、洗ったのに臭う原因になりますし、頭皮のかゆみなど炎症を起こすこともあります。お子さんが1人で髪を洗えるようになっても、隅々まで洗い流すことはできないので大人がチェックしてあげてくださいね。

 髪を洗うのは夜がおすすめです。寝ている間に髪は成長しますから、一日の汚れを落としておいた方がいいですね。汗をよくかく、臭いが気になるからといって何度も髪を洗うのは、あまりおすすめできません。何度も洗うことで頭皮が乾燥し、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

 毛穴に詰まった汚れを落とそうとシャンプーブラシを使う人もいますが、毎日使うのは避けましょう。ほとんどがシリコン製なので、過剰に頭皮を傷付けることはありませんが、どうしても摩擦は避けられません。爪が伸びていて頭皮を傷付けてしまう恐れがある場合以外は、週に1回程度にしましょう。

 洗った後、髪を濡れたままにしておくと菌の繁殖を促してしまうので、タオルでよく水分を拭き取り、ドライヤーで乾かしてください。ただし、ドライヤーの温風を当てすぎると頭皮が乾燥してしまいますので、熱で乾かすのではなく冷風機能で乾かすようにしてください。小さいお子さんはドライヤーを嫌がるかもしれません。その場合は、髪の量も少ないのでタオルドライだけでも大丈夫です。

 日中、汗をかいてびっしょりと濡れた時もタオルで汗を拭き、濡れたままにして放置しないようにしましょう。

頭皮のべたつき、かさつきは炎症を起こしている可能性も

 頭皮で気になるのは臭いだけでなく、かゆみなどの炎症です。普段、頭皮を自分で見ることはなかなかありませんが、触ってべたつく、かさかさしてフケが出る、吹き出物のようなものがある、触った手に臭いが残るようなら皮膚科で診てもらいましょう。枕に血がついている場合も要注意です。脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎など頭皮湿疹になっているかもしれません。

 心配な時は自己判断せず、医師に診断してもらうことが大切です。これくらいで病院に行くのは……と躊躇せず、何もなければそれはいいことです。病院は治療を受けるだけでなく、何もないことを確認するために行く場所でもあります。何か病気があったとしても、早めに受診することで、悪化を防げます。

 頭皮に限らず、体臭は生活習慣も影響します。十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事、お風呂に入り清潔にすること。また、寝具や衣類もこまめに洗い、清潔に保つようにしてください。皮脂や汗を止めることはできませんので、日頃の生活習慣を見直して予防していきましょう。

(岩淵 美樹)

辻 晋作(つじ・しんさく)

1974年1月17日生まれ。東京大学医学部卒。帝京大医学部形成外科、埼玉医科大形成外科、東京女子医科大非常勤講師として勤務しながら、28歳で美容医療の「アヴェニュークリニック」開業。42歳で再生医療専門の「アヴェニューセルクリニック」開業。医学博士、日本専門医機構認定形成外科専門医、日本再生医療学会再生医療認定医、「アヴェニューセルクリニック」再生医療統括医師。著書に「あなたを救う培養幹細胞治療」(集英社インターナショナル刊)、「靴の中に入れるだけ2Gかかとインソール」(主婦の友インフォス刊)、「ひざ痛は治る」(秀和システム刊)がある。