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海外に住めば英語は話せるようになる? オーストラリア在住ライターが語る落とし穴
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ワーキングホリデー(ワーホリ)や学生ビザで気軽に海外生活を体験することができるオーストラリア。同国には日本人の永住者や駐在員も多く、比較的ストレスの少ない便利な生活を送ることも可能なようです。一方で、英語力や国際感覚を向上させたいのであれば、日本語をシャットアウトする必要も……。現地在住ジャーナリストの守屋太郎さんが、オーストラリアで暮らすためのノウハウなどを解説するこの連載。今回は、日系コミュニティの基礎知識についてです。
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オーストラリアに日本人はどのくらい住んでいるの?
オーストラリアは、ワーホリ旅行者や留学生として長期滞在する他に、就職や国際結婚で永住する日本人が多い国といわれています。また、ビジネスの結び付きが強いため日本の企業が多く、環境が良いこともあって家族連れで住める赴任先として駐在員にも人気が高いようです。
外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、コロナ禍前2019年10月時点のオーストラリアにおける在留邦人数(日本国籍を持つ長期滞在者と永住者)は10万3638人。在留邦人数が1位の米国(44万4063人)、2位の中国(11万6484人)に次いで、世界で3番目に多い水準となっています。
都市別の在留邦人数を見ても、世界6位のシドニー(3万4679人)、11位のメルボルン(2万175人)、23位のゴールドコースト(1万901人)、24位のブリスベン(1万803人)と、25位以内にオーストラリアの4都市が入っています。
また、オーストラリアの在留邦人数の内訳は、長期滞在者(駐在員など)が4万4712人(43.1%)、永住者が5万8926人(56.9%)。米国や中国、タイといった日本人が多い他国と比べて、永住者の割合が多いのが特徴です。永住目的に関する正確な調査はありませんが、日本人がオーストラリアで、オーストラリア人や他国出身の外国人と国際結婚するケースが多いことと関係があるのではないでしょうか。
オーストラリアの人口は約2500万人と、米国(約3億3000万人)や中国(約14億人)と比較すると桁違いに少ないです。人口規模の割に、いかにオーストラリアに住む日本人が多いかが分かるでしょう。とはいえ、オーストラリアの総人口に占める日本人の割合はわずか0.4%。移民社会の同国内には、100万人以上いる中国人をはじめ、ベトナム人や韓国人などの数が圧倒しています。日本人は他のアジア人と比べて少数グループとなっています。