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梅干しは一日何粒が適量? 「三毒を断つ」と呼ばれたその殺菌力 体の酸性化対策にも

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

注目すべき梅の栄養とは 梅干しは塩分に注意

殺菌力が古くから注目されてきた梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】
殺菌力が古くから注目されてきた梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「梅は三毒を断つ」ということわざにある三毒とは、水毒と食毒、血毒を指したといわれています。こうしたことわざが生まれるほど、梅干しの殺菌力は古くから注目されていました。その理由は含まれる成分にあります。

○カリウム
 カリウムには体から余分なナトリウムや水分の排出を促す働きがあるため、水毒に対する効果が期待できるといえるでしょう。

○クエン酸
 酸味の主成分であるクエン酸には、疲労回復効果の他にも抗菌作用があるため食中毒の予防に役立ちます。また消化酵素の分泌を高めるため、消化吸収を助ける働きがあり、食毒に対する効果が期待できます。

○アルカリ性
 ひと昔前までは、肉や魚などの酸性食品ばかりを食べたりストレスを感じたりすると、体内が酸性化してさまざまな不調が現れるとされてきました。そして、アルカリ性食品である梅干しは、酸性化した体を中和する働きで血毒に対する効果が期待できると信じられていたのです。現在では、人間の血液は弱アルカリ性で保たれていることが分かっていますが、アルカリ性食品を取り入れ、バランスの良い食事を摂ることが大切です。

 この他にも抗酸化作用を持つビタミンエース(ACE)こと、ビタミンCとEも豊富。しかし塩分でみると、昔ながらの無添加の梅干しは20%程度もあります。市販されているものは3~10%で、ハチミツなどが添加されているものは比較的塩分は低いものが多ようです。

 仮に梅干し1粒10グラムの塩分が10%とすれば、1粒の塩分量は1グラムになります。日本人の食事摂取基準2020年版では、食塩の摂取目標が成人男性で7.5グラム未満、成人女性で6.5グラム未満。塩分の摂りすぎは高血圧をはじめ、その他の生活習慣病の要因になる可能性がありますから、梅干しは一日1粒程度が良いでしょう。

※21日12時40分に記事の一部を修正しました。訂正してお詫びします。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾