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“食を育む”ために…米在住日本人女性が加工食品から考える食べ物のあり方

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

勢子さんお手製の加工食品がいっぱい詰まった彩り豊かなお弁当【写真:小田島勢子】
勢子さんお手製の加工食品がいっぱい詰まった彩り豊かなお弁当【写真:小田島勢子】

 米ロサンゼルスの片田舎から「暮らし」をテーマに情報発信を続ける小田島勢子さん。オンラインコミュニティやワークショップでさまざまなアイデアを共有しています。もちろん“食”も重要なトピックの一つ。そんな勢子さんが綴る連載エッセイ、今回の主題は「食を育むこと」。食に関心を持ち意識を改めるためにも、私たちの食生活を豊かにしてきた加工食品について、その歴史や現在の背景を今一度考えてみる必要があるようです。

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食生活を豊かにしてきた「加工食品」の歴史

「エンプティフード」という言葉を聞いたことがありますか? カロリーは高いが栄養価の低い食べ物のことで、いわゆるファストフードやインスタント食品といった「超加工食品」を指します。

 加工食品というと、冷凍食品や添加物が多く含まれている食品のことを思い浮かべるかもしれません。しかし、炊いたお米やお漬物、おみそ、魚の塩焼きなどの家庭料理も、食材を調味や加熱しているため実は加工食品にあたるのです。その歴史を振り返ると、加工食品は人類が食生活を豊かにするために作り上げた尊い技術だと分かります。

 加工食品の歴史が始まったのは新石器時代といわれています。人類は道具を使い始めたことで加工技術を習得します。石などを使い採った木の実をすりつぶすだけでなく、動物の肉を小さく切断できるようになったことで、食べたものを効率良く消化・吸収できるようになりました。

 さらに、火を使えるようになり、それ以前よりバクテリアやウイルスに感染しにくくなりました。食料調達だけでなく、保存や物資の輸送に関してノウハウが乏しかった時代ですが、食品の加工によって食べ物からより多くのエネルギーを摂取できるようになりました。このことは、脳の発達にも大きな影響を与えたと考えられます。

 食品加工の技術に大きな変化が起きたのは1850年代。世界で化学技術の研究が盛んになり、食品分野においても化学合成添加物(食品添加物)が開発されました。それまで保存料は、塩やにがり、砂糖、アルコールという自然由来のものが主流でしたが、見た目を良くする着色料などの化学合成添加物が加工食品に使用されるようになったのです。

 こうした時代を経て、現代の加工食品には防腐、保存、栄養価向上の技術が詰まっており、私たちが生きる上でなくてはならないものになっています。