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話すスピードは普段の1.2倍に オンラインで効果的な動作と話し方 現役アナが指南

公開日:  /  更新日:

著者:小倉 星羅

現役アナウンサーの小倉星羅さん【写真:Hint-Pot編集部】
現役アナウンサーの小倉星羅さん【写真:Hint-Pot編集部】

 新しい生活様式の始まりから約2年、対面でのコミュニケーションも徐々に戻ってきました。一方で、オンラインのコミュニケーションツールもすっかり定着しましたが、対面との違いに今も戸惑っている人は多いのではないでしょうか。「うまく話が伝わらない」「相手の反応が不安」といった、オンラインならではの難しさがありますよね。普段から“画面を通して”伝えているアナウンサーが、オンラインでの見せ方と話し方のポイントを伝授します。

 ◇ ◇ ◇

ジェスチャーを入れて会話を印象づける

 前回の「初対面で好印象を与える挨拶」では、米国の心理学者が1971年に提唱した「メラビアンの法則」をお伝えしました。「話し手のどのような情報が聞き手の印象に影響するのか」を視覚・聴覚・言語の3つから実験し、数値化した“コミュニケーションの法則”です。それによると、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%を占めており、まずは「見た目が大切」だと分かります。

視覚、聴覚、言語の3つの観点からの実験を数値化した「メラビアンの法則」【画像提供:話し方研究室】
視覚、聴覚、言語の3つの観点からの実験を数値化した「メラビアンの法則」【画像提供:話し方研究室】

 これはオンラインコミュニケーションでも同様です。ただ、対面とは違うのは“空間共有ができない”ということ。オンラインでは同時に話すことができないため雑談ができず、画面を通すと相手の細かな表情を感じ取ることも難しくなります。

 そのため、オンラインでは視覚、聴覚、言語すべてにおいて、対面より少しオーバーにすることが大切です。ミーティングを始める前に、必ずテスト画面で以下のポイントについて確認してみましょう。それだけで伝わり方は大きく変わります。

【ビデオミーティング前のチェックポイント】
1. カメラの位置を目線の高さに
 ミーティングに使用するパソコンなどをデスクに置く人が多いと思いますが、その高さではカメラを見下ろしてしまいます。写真でも、下から撮られるのはなかなかうれしくないですよね。カメラが目線の高さに来るよう調整しましょう。

2. 人物と背景は6:4が基本 背景にも気をつけて
 オンラインでは表情とジェスチャーが感情を伝える要になるため、表情が見え、手の動きが分かるサイズが伝わりやすくなります。そのため、画面の中では人物と背景の割合を6:4にしましょう。目安は胸元から頭までが画面に収まり、なおかつ頭上に余白がある状態です。

 相手がなるべく気が散らず、話に集中できる環境を作ることも大切です。画面の背景は壁などが推奨されますが、背後に人が通る場合はモザイクではなく、背景画を用意しましょう。背景に社名やプロジェクト名、自身の名前を入れて話題を作ることも有効ですね。

3. ジェスチャーや表情を入れて視覚にアプローチ
 話す時はジェスチャーを入れると、相手の中に話の印象が残りやすくなります。さらに、表情をつけると相手が共感しやすくなる効果もあります。

<視覚にアプローチするジェスチャー>
・「少し」「ちょっと」と言う時に指でそれを示す
・「方法は2つあります」と言う時に指を2本立てる
・「ここからここまで」と言う時に手でその範囲を見せる
・誰かが発表した時や同調する時にうなずいたり、拍手をしたりする
・「ご質問はありますか?」と問いかける際に手を挙げて、相手が挙げやすくなる雰囲気を作る

 以上のように、テレビタレントのようなリアクションをつけることで、画面を通してでも伝わりやすくなります。