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大人の美文字に「0.7ミリ」のペンがおすすめ 話題の書道家が教える3つのポイントとは

著者:中塚 真希子

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「ありがとう」と記した書道家の原愛梨さん【写真:荒川祐史】
「ありがとう」と記した書道家の原愛梨さん【写真:荒川祐史】

 プロ野球選手の名前の文字を使って投球フォームの絵を描くなど、“書道アート”で話題の書道家、原愛梨さん。そんな原さんから、“大人の美文字”を学ぶミニ連載がスタートです。社会人になると会社や役所の書類・メモ書きなどで、手書き文字を見られる機会が増えますよね。そんな時に“ヘタ文字”やギャル文字では、周囲からの評価が下がってしまうことも。今回は具体的な文字の書き方を習う前に、ペン選びなど3つの準備ポイントを教わります。

 ◇ ◇ ◇

おすすめはゲルインクのペン 0.5ミリ以上のものを

 まずは、美文字を書くための準備ポイントを3つ、原さんから教わります。1つ目のポイントは、字を書く際の必須アイテム・ペン選びにありました。

「一番のおすすめはゲルインクのペン。インクがなめらかで字にムラができないし、速乾性があるから、うっかり字に触れてもすれる心配が少ないんです。字が濃く見えるのもポイントですね。薄い字よりも濃い字の方がきれいに見えますから」

原さんの愛用のぺんてる「ENER GEL」(0.7ミリ)、持ち方もポイント【写真:荒川祐史】
原さんの愛用のぺんてる「ENER GEL」(0.7ミリ)、持ち方もポイント【写真:荒川祐史】

 ちなみに原さんの愛用は、ぺんてる「ENER GEL」(0.7ミリ)。

「太さも大切です。用途にもよりますが、硬筆の練習の際は、基本的にこの0.7ミリくらいがおすすめ。普段遣いも0.5以上のもので濃くて太い方が、“とめ・はね”がしっかり出るので、字をうまく見せられますよ」

姿勢は正しく 紙に向かってまっすぐ座る

 続く2つ目のポイントは、ペンの持ち方や姿勢のよう。やっぱり正しい持ち方だと、きれいに書けますか?

「ちゃんとした持ち方が一番です。そして書く時の姿勢は、紙に向かってまっすぐ座りましょう。長時間練習するなら、顔とテーブルの距離は30センチくらい開けて……と書道のようにきちんとする方が、逆に疲れが出にくいと思います。もちろん、気楽に書くだけなら、そこまでビシッとしなくてOKですよ(笑)」

正しい形を脳にインプット 美文字を見慣れることが大切!

 そして3つ目のポイントは、「美文字に目慣れすること」。字が苦手な人というのは、正しくない形の文字を脳にインプットしてしまっているケースも多いとか。

「例えば私が学生の頃、ギャル文字が流行っていたんです。そういったクセの強い文字をずっと書いていると、脳はその字を“正しい文字”としてインプットしてしまう。すると、そのクセが抜けなくなります。

 また、今はパソコンの文字を見る機会が多いですよね。デジタルなのでもちろん整っていて読みやすい文字だと思いますが、正直、手書きの美文字という観点では書き方が違う。それなのに、その文字に目や脳が慣れてしまうと、それが正しい形として脳にインプットされます。これは美しい文字なのだと思い込み、そちらに引っ張られて手書きの文字が変わってしまいます」

 そんな文字のクセを抜き、美文字へと軌道修正してくれるのが「目慣れ」です。

「きれいな手書き文字を見る機会を増やし、たまには字を手書きしましょう。手書きの美しい文字に目慣れすることで、脳内の“正しい文字”を上書きできます。

 字がきれいな方にいただいた年賀状を見返すとか、街中で素敵な手書き文字の看板を見つけたら観察するとか。それだけでも、だいぶ変わりますよ。

 それに、きれいな文字を見て“私も書いてみたい!”と思えば、自然とペンを取るし練習のモチベーションにもつながるはず。そういう意味でも、目慣れはすごく大切かなと思います」