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新ショウガと通常のショウガ 栄養素に違いは? 効果をたっぷり得たい時の食べ方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ショウガの注目成分 新ショウガと通常のショウガに差は

通常のショウガ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
通常のショウガ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新ショウガの栄養成分は、通常のショウガと比べて違いはほぼありません。しかし、水分が多い新ショウガは可食部100グラムあたりの栄養価が低くなり、辛味も少ないのが特徴です。

 通常のショウガを生食する場合はすりおろして薬味として使いますが、新ショウガはスライスした生のものがおいしくいただけます。新ショウガのみずみずしくてやわらかい食感は、この時期にしか味わえません。

 ショウガの注目成分には、ジンゲロールやショウガオール、シネオールなどが挙げられます。生のショウガに含まれるジンゲロールは、殺菌や解熱効果などが期待できる他、免疫細胞を活性化させる作用も知られています。シネオールは、疲労回復や食用増進などに期待される有効成分です。

 ショウガを加熱するとジンゲロールがショウガオールに変わります。このショウガオールには血行を促進し、体を芯から温める作用があるので、冷えが気になる時に良いでしょう。

 夏は冷たい食べ物や飲み物、冷房などにより、実は体が冷えやすい季節と言えます。そこでショウガを上手に取り入れるには、ショウガ紅茶などがおすすめです。

酢漬けのメリット 豚肉や青ジソともおすすめ

新ショウガの甘酢漬け(写真はイメージ)【写真:写真AC】
新ショウガの甘酢漬け(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新ショウガといえば、甘酢に漬けてガリにして食べることが多いでしょう。殺菌作用と解熱効果が期待できる生のショウガの成分ジンゲロールと、同様に殺菌効果がある食酢との組み合わせは良いと言えます。これから暑くなるこの時期、お弁当のおかず一品として取り入れてみてはいかがでしょうか。

 また甘酢を作る際、砂糖ではなく保湿効果のあるビタミンやミネラル、アミノ酸を多く含むハチミツを使用することで、美肌効果も期待できるでしょう。ただし、ハチミツは刺激物でもあるため、食べ過ぎると胃の粘膜が荒れてしまうので注意が必要です。

 新ショウガは辛味が少なく食感もやわらかいので使いやすい食材です。例えば、新ショウガに豚肉を巻いて焼いたおしゃれなメインディッシュは、この時期ならではのメニューでしょう。通常の豚肉のショウガ焼きと同様、ショウガのシネオールに加え、豚肉からは疲労回復効果があるビタミンB1を摂取できます。

 食欲がない時には、細かく刻んだ新ショウガと千切りの青ジソをごはんに混ぜてみてはいかがでしょうか。ショウガのシネオールとシソのぺリルアルデヒド、それぞれの香り成分には食欲増進効果があります。これから夏まで、夏バテ対策として上手に食卓に取り入れてみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾