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盲導犬候補の犬がたくさん経験した“初めて” 「繁華街での散歩」が大事な理由とは

著者:和栗 恵

大きな真ん丸の瞳が愛らしいジェニー【写真:Hint-Pot編集部】
大きな真ん丸の瞳が愛らしいジェニー【写真:Hint-Pot編集部】

 盲導犬候補のパピー(子犬)を預かるボランティア「パピーウォーカー」。日本盲導犬協会の日本盲導犬総合センター「盲導犬の里 富士ハーネス」から委託されたパピーと、生後2か月から1歳頃までの10か月間をともに過ごすパピーウォーカーに挑戦中の古澤さん一家の様子を連載でお届けしています。パピーはこの期間に人間に対する親しみと信頼感を築き、人間が中心の社会でともに暮らすためのルールを学びます。もちろん、迎え入れる側は楽しいことばかりではありません。今回は神奈川県内で日本盲導犬協会が行ったパピーウォーカー向けのレクチャーに同行取材。エスカレーターの乗り降りや人混みでの散歩を経験したパピーは、どんなことを学んだのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

ジェニー、初めてのエスカレーター昇降体験にへっぴり腰!?

 レクチャーを担当したのは、日本盲導犬協会職員の本岡さん。古澤さんとジェニーに、開始前に簡単な注意点が伝えられました。初めての経験をする時に、パピーがどのような反応をするのか分かりません。そのため、例えば繁華な場所を初めて散歩する時は、たくさんの人に囲まれてパピーが興奮して飛び付いてしまったり、人がパピーに集中しすぎて周囲の人とぶつからないよう気をつけます。

日本盲導犬協会職員の本岡さんから説明を受ける古澤さんとジェニー(右)【写真:Hint-Pot編集部】
日本盲導犬協会職員の本岡さんから説明を受ける古澤さんとジェニー(右)【写真:Hint-Pot編集部】

 説明が終わるとすぐに始まったのがエスカレーターの昇降訓練。エスカレーターに慣れていない子どもの頃、足をいつ出して乗ればいいか分からず躊躇したという人も多いでしょう。あのドキドキを乗り越え、「エスカレーターは怖くない」ということをパピーに「経験させる」のが訓練の大きな目的です。

 1回目は抱っこするように持ち上げ、一緒に乗り込んで昇降を体験。エスカレーターという存在に慣れさせます。

 2回目は古澤さんが先に乗り、本岡さんがジェニーのリードを持って誘導しながら昇った後、同様にして降ります。

 3回目は、古澤さんがリードを持ち、本岡さんのサポートを受けながらエスカレーターへ。「ジェニー、ほら、怖くないよ」と声をかけながら、エスカレーターへ誘導します。乗ったらすぐに「グッド!」と言葉をかけ、エスカレーターに乗ることは「怖いことではなく、人間と一緒に楽しめること」だと教えてあげます。それでも、初めての経験だけにジェニーはへっぴり腰。何度か繰り返し、8度目のチャレンジでスムーズに乗ることができました。

階段昇降の訓練では様になった姿を披露

古澤さんに連れられて階段昇降の練習をするジェニー【写真:Hint-Pot編集部】
古澤さんに連れられて階段昇降の練習をするジェニー【写真:Hint-Pot編集部】

 続いて行われたのは階段昇降の訓練。いつの日かともに歩くであろう目の見えない人や見えにくい人に「ここから階段が始まるよ!」と知らせるため、階段の1段目で必ず立ち止まるよう教えます。また、人間と寄り添いながら、ゆっくりと昇り降りすることも必須です。

 もちろん今回はまだ本格的な訓練ではなく、あくまでも「経験」させるのが目的。ただ、古澤さんとともに階段をゆっくりと昇るジェニーは、とても様になっているように見えました。

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