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タワマンマダムの“裏トラブル” 子どもから伝えられた驚きの言葉 不動産のプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

“開かない窓”は安全を担保する上で必要な仕様

梅雨時はタワマン住人以外も悩む生乾き臭問題(写真はイメージ)【写真:写真AC】
梅雨時はタワマン住人以外も悩む生乾き臭問題(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 何とも切ない佳代さんの告白。不動産のプロである姉帯裕樹さんによると、同様の話は他のタワマンでも耳にするそうです。

「タワマンは基本的に窓が開かないことが多く、ベランダがあっても洗濯物の外干しを禁止している物件がほとんどです。たとえハンガー1本でも、高層階からの落下物は危険ですからね。そのため、こうした仕様は安全を担保する上で必要。住人は洗濯物や布団を部屋干しすることになるため、この『生乾き臭問題』は住人から聞く“あるある”の裏トラブルなんです」

 確かに、タワマンで洗濯物の外干しはあまり見たことがないような。たくさん汗をかく子どもの体操着は、通常の洗濯だと臭いの原因が落ちきらないこともあります。それを大量に部屋干ししていたら……タワマン以外の家でも生乾き臭が発生しやすい状況だと言えるでしょう。

 現在の佳代さんは、息子さんの体操着を漂白剤と熱湯などで一度消毒をしてから洗濯機にかけ、生乾き臭を防いでいるそうです。それでも息子さんはすっかり臭いに敏感になってしまったようで、事あるごとに「タワマンは嫌。普通のおうちに引っ越したい」とこぼしているのだとか。しかし姉帯さんは、「物件を手放すのが嫌なのであれば、こういうものだと思って我慢するしかない」と語ります。

「憧れだから……と飛びつく前に、乾燥機が付属しているか、浴室乾燥機がきちんと機能的に使えるか、そうした面はよく調べた方が良いでしょう。個人的におすすめする生乾き臭の予防法は、コインランドリーにあるような乾燥機を使うか、洗濯時に重曹をプラスすることです」

 生乾き臭はタワマン特有ではありませんが、窓やベランダの問題で発生しやすい状況にあるとは言えるでしょう。専用の衣類乾燥機や補助の除湿機、サーキュレーターの導入、干し方の工夫など、積極的な対策が必要のようです。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。