Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

目標達成率は100%!? 話題の「原稿執筆カフェ」 仕掛け人が語る“書き切れる仕組み”とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

集中阻害の要素が極力排除された店内 「書くしかない」という雰囲気に

営業開始から1時間ほどで満席になった店内。執筆を目的にする人だけが集まることで緊張感や連帯感が【写真:Hint-Pot編集部】
営業開始から1時間ほどで満席になった店内。執筆を目的にする人だけが集まることで緊張感や連帯感が【写真:Hint-Pot編集部】

 というわけで、早速執筆を開始。開店と同時に他のお客さん4人が入店してきたこともあり、店内にはあっという間に緊張感が。また、互いに見ず知らずであるにもかかわらず、原稿を書き切るという共通の目標を持って来店したためか、自然と連帯感のようなものを感じます。

 こうして、窓際のカウンター席で執筆を始めてすぐに、ふとあることに気づきました。車や電車の通過音といった都会的なノイズを心地よく感じるほど、店内が実に静かなのです。これについて、「原稿執筆カフェ」のプロデューサーを務める川井拓也さんは「(店内では)集中を阻害する要素を極力排除しています」と話します。

「営業中は音楽を流しませんし、食器もできるだけ洗いません。コーヒーのグラインダーの音も出さないようにしていますね。そうやって店内のいろいろなことを調整しながら、『書くしかない』とお客さんの背中を後押ししています。おかげさまで、来店されたお客さんは目標を100%達成してくれます」

作業の進捗を確認するプロデューサーの川井さん。ポップを利用者の目の前にそっと差し出すシステム【写真提供:原稿執筆カフェ】
作業の進捗を確認するプロデューサーの川井さん。ポップを利用者の目の前にそっと差し出すシステム【写真提供:原稿執筆カフェ】

 そんな“絶対に集中できる”環境で執筆を開始して30分、ここで進捗確認「ハード」の意味を知ることに。何と、窓の向こうから川井さんがこちらを覗いているではないですか。その視線は「ちゃんとやってる?」「サボってない?」と語っているよう。思わず吹き出しそうになるところを懸命にこらえ、作業を続けました。

 進捗確認は、入店時に回答したカードで「マイルド」を選ぶと、最後に原稿が完成したかを確認するだけ。「ノーマル」では、1時間に1回「進捗いかがですか?」と書かれたポップが利用者の目の前に差し出され、作業の進み具合を気にかけてくれます。

 そして、「ハード」は、執筆開始から30分後に窓から覗かれ、1時間に1回ポップで確認。その30分後には再び川井さんからの“チラ見”がありました。30分おきに確認されるかなり“圧強め”モードということになります。

 そんな手厚いサポートを受けながら、原稿は目標時間内に完成しました。静かな環境はさることながら、黒のパーテーションで仕切られたシート、全席に取り付けられた複数口の電源コンセントやUSB高速充電ポート、自由に飲めるドリップコーヒーなど、店内は設備も充実。ある程度の長い時間にわたって執筆するには申し分ない環境という印象が強く残りました。