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目標達成率は100%!? 話題の「原稿執筆カフェ」 仕掛け人が語る“書き切れる仕組み”とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

生産性の高さにプロデューサーも驚愕 今後はフランチャイズで全国へ!?

店内で保管されている、目標を達成した記入カードの数々。アウトプットが生まれ続ける様子はもはや社会実験!?【写真:Hint-Pot編集部】
店内で保管されている、目標を達成した記入カードの数々。アウトプットが生まれ続ける様子はもはや社会実験!?【写真:Hint-Pot編集部】

 プロデューサーの川井さんは2019年に、元々イタリアンバーだったこの場所を居抜きで借り上げ、ライブ配信や動画撮影スタジオとして活用し始めました。当時は、年100本ほどの撮影を行っていたそう。

 大きな転換点となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大でした。人が集まっての配信や撮影が難しくなったことで、「動画編集カフェ」という営業方針にシフト。クリエイターたちに作業の場を提供しました。

 ところが、機材などの関係からカフェとサービスの親和性が合わず。そこで、川井さんが脚本家の知人と話をしている中で出たアイデアが「原稿執筆」でした。

 4月のサービス開始時点では、月2回だけの営業を想定していたという川井さん。しかし、営業開始の前日にツイッター上で「原稿執筆カフェ」に関する投稿が大きな注目を集めました。投稿は翻訳され、反響は海外にまで拡大。その後の盛況ぶりに関しては、やはりSNSが果たした役割が大きかったようです。

「このカフェが話題になった理由は、『原稿執筆』という最大公約数の言葉を使ったので、みんなが自分に関係のあることだと思ってくれたことではないかと考えます。かつ、ライターの方が実際にカフェを体験し、それを記事としてアップしてくれる。それが広報として機能し、今も続いている感じがありますね」

「原稿執筆カフェ」の大ヒットは、川井さんにとっても想像以上。リピート率も上がってきた店内の様子を、実は驚きとともに見つめているそう。

「カフェの盛況ぶりを見ていると、『これは壮大な社会実験かもしれない』なんて思い始めましたね。だって、一日に何十万文字がここで書かれ、何らかの作品になっているわけなので。『このカフェ、生産力すごい』と感じてしまいます」

 そんな「原稿執筆カフェ」の次なる一手について、川井さんはさまざまなアイデアを膨らませています。

「終電で集まって始発までに原稿を書き上げて、みんなでモーニングを食べて帰るっていうオールナイト営業なんて面白いですね。他には、既存の喫茶店にある座席の一部をフランチャイズにする『原稿執筆シート』も将来的に展開したいなと。味のあるマスターやお店とともに、また違った物語がいろんなところで起きるんじゃないかと思っています」

 7月からは東京・大手町で「原稿執筆スタジオ」のサービスが始まっています。原稿執筆カフェとコンセプトは同じで、こちらは最大4人のチーム作業ができる場所です。川井さんは「移動編集室のような形で使っていただけたら」と呼びかけます。

 原稿執筆に特化したコワーキングスペースは今後、日本各地だけでなくひょっとしたら世界にも新たなムーブメントとして広まっていくかもしれません。

(Hint-Pot編集部)