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注目度がますます高まる「納豆」 さらなるパワーアップへ「ちょい足し」したい発酵食品は?
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納豆といえば、茨城県のイメージが強いかもしれませんが、今や人気は全国区。今年になって、注目度がますます上がっています。国立がん研究センターの研究チームが「発酵性大豆食品(納豆、みそ)の摂取量が多いと死亡のリスクが低くなる可能性が示唆された」とする論文を発表したことも要因の1つ。さらに、免疫力アップや腸内環境を整えるという観点からも関心が寄せられている納豆ですが、いつもの食べ方とちょっと視点を変えたい時、発酵食品を「ちょい足し」するとどうなのでしょうか。栄養士で家庭科教員の池田由美さんが解説します。
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納豆は「畑の肉」 納豆汁なら沸騰させないのがポイント
手頃な価格で栄養価も高い発酵食品の納豆は、ぜひ食卓に取り入れたい食材の1つです。納豆といえば、長ネギのトッピングが定番ですが、たまには「発酵食品」をプラスしてみる食べ方も良いでしょう。発酵食品とは、微生物(酵母・細菌・カビ)がたんぱく質や糖類を分解して生成される食品で、腸内環境を整えることが期待されます。保存性や栄養価が高く、うま味もたっぷり含まれているのが魅力です。
○そもそも納豆って?
「畑の肉」とも言われる、良質な植物性のたんぱく質をはじめ栄養豊富な大豆が原料の納豆。蒸した大豆に納豆菌を作用させた発酵食品です。消化率も高いとされ、エネルギー(カロリー)が低いにもかかわらず栄養価が高いのが特徴。よく知られている栄養素として挙げられるのはナットウキナーゼでしょうか。血栓を防ぎ、動脈硬化の予防などに注目されています。
また、女性にとってうれしいイソフラボン、ビタミンK2も豊富で、更年期の不調や骨粗しょう症が気になる人は、摂取しておきたいですね。ホルモンバランスの乱れを整えるビタミンB2も豊富で、糖質や脂質の代謝の促進も期待できます。
○手軽にプラス
たれやしょうゆに、発酵食品であるお酢などをプラスするのはいかがでしょうか。酢は善玉菌の“好物”と言われるグルコン酸を多く含むため、腸内環境を整えることが期待でき、カルシウムの吸収率も高めると言われます。また、同じ大豆発酵食品として、みそも相性が良いと思います。たれ代わりにしてみてはいかがでしょうか。野菜やショウガなどが入っている金山寺みそに、黒酢を合わせるのも良いでしょう。
みそは、酵母や乳酸菌、麹菌などが含まれていて、生活習慣病のリスクを下げることも期待される伝統食です。みそ汁の具に納豆という納豆汁も知られていますが、沸騰させないことがポイントです。うま味成分が分解されてしまい、風味が悪くなったり、乳酸菌などが減ってしまうこともあります。