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ウナギと梅干しがNGといわれる真相 山椒が定番なのはなぜ?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

「う」が付く梅干しは、疲労回復でまさに夏にぴったり

疲労回復のクエン酸が豊富な梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】
疲労回復のクエン酸が豊富な梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 一方で、昔から「ウナギと一緒に食べてはいけない」という通説があるのが、梅干しです。梅干しの酸味の主成分であるクエン酸は、疲労回復効果の他にも抗菌作用によって食中毒の予防に役立ちます。また、消化酵素の分泌を高めるため、夏に弱った胃腸の消化吸収を助ける働きも期待できるでしょう。

「う」が付く食べ物として、ウナギと同じく暑さを乗り切るのに向いた食べ物ですが、「ウナギと梅干しは食べ合わせが悪い」とする通説もあります。しかし栄養面では、この2つを一緒に食べても、特に相性が悪いところはありません。

 この通説が生まれた経緯には、昔は冷蔵庫がなく食材の保存環境が良くなかったことが関係しているのではないかという説もあります。ウナギは腐敗すると酸味が出ますが、酸っぱい梅干しと一緒に食べると気づかないので、一緒に食べない方が良いといわれるようになったというものです。

 梅干しの酸味には食欲を促進させる働きがあります。梅干しを食べると口の中がさっぱりとするので、脂っぽいものでもつい食が進むでしょう。体のことを考えて食べすぎを防ぐためにも、あるいは高価なウナギを多食しないように、そのような通説が生まれたのかもしれません。

 2022年の夏は「土用の丑の日」が2回あります。7月23日と8月4日です。この日はおいしいウナギを食べて暑い夏を乗り切りましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾