からだ・美容
耳に入った水の抜き方 ネットの情報は正しい? 医師に聞いた
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教えてくれた人:鈴木 香奈
夏はプールや海などで水遊びをする機会が増えます。そこで多くの人が一度は体験するのが、耳の中に水が入ってなかなか出てこず困ったというもの。金沢駅前ぐっすりクリニック耳鼻咽喉科の鈴木香奈医師によると、気になってむやみにいじると思わぬ病気につながってしまうことがあるそうです。正しい対処法を教えていただきました。
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子どもの耳に水が入りやすいのはなぜ?
海水浴や水遊びをした際、耳に水が入るとなかなか抜けないのはなぜでしょうか。それには耳の中の構造が関係しています。耳に入った水は外耳道を通り、角度が急になっている鼓膜の前にあるくぼみに溜まります。すると、表面張力などが働き、頭を傾けるなどしても出にくくなってしまうのです。
鈴木医師によると、子どもの耳は大人に比べ水が入りやすいそうです。それは、8歳頃まではこの外耳道の構造が大人ほど曲がっておらず、まっすぐなため。その分、水が抜けやすいですが、耳が気になっていじってしまう子どもも多いので、まずは水が入らないようにするのが良いでしょう。予防法としては、スイミングキャップを耳まですっぽりかぶる、耳栓をするなどがあります。
しかし、子どもが水の中で活発に動くと、キャップや耳栓が外れることも。やっぱり水が入ってしまった……という時、鈴木医師は最も安全な水の抜き方として以下をおすすめしています。
【耳に入った水の安全な抜き方】
1. 耳介(耳のうち外に張り出している部分)の上部を指でつまむ
2. そのまま斜め後ろ上方に引っ張る
たったこれだけで、外耳道がまっすぐになり水が抜けやすくなるそうです。
逆にNGは、綿棒やティッシュで作ったこよりなどを耳の奥まで差し込んで水を吸わせる方法。外耳道の皮膚は薄く、簡単に傷ついてしまうため、外耳炎の原因になります。