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からだ・美容

耳に入った水の抜き方 ネットの情報は正しい? 医師に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:鈴木 香奈

“呼び水”はめまいを起こす可能性が

仰向けになった後、水が入った耳を下側に横になるのはOK【写真:Hint-Pot編集部】
仰向けになった後、水が入った耳を下側に横になるのはOK【写真:Hint-Pot編集部】

 では、耳に入った水がどうしても抜けない時、そのままにしていても大丈夫なのでしょうか。鈴木医師によると、水は自然と蒸発するため、基本的には放置しても問題ないようです。

「通常は自然に蒸発することがほとんどなので、耳の中は極力触らない方が良いでしょう。気になって触りすぎると傷付けてしまうためです。また、翌日になっても水が抜けないようであれば、病院を受診してください。耳垢栓塞や外耳炎などを発症している可能性が考えられます」

 とはいえ、耳に入った水は気になるところ。また、子どもの頃から耳の水を抜くいろいろな方法を聞いている人も多いでしょう。インターネット上にもさまざまな情報があふれています。それらは実際に行っても問題ないのでしょうか。

・水が入った方の耳を下に首を傾けて、ピョンピョンと片足で跳ぶ
・仰向けに1分ほど寝転がった後、水が入っている方の耳を下にして横になる

 水が入った方の耳を下に向ける方法は、多くの人が試したことがあるでしょう。鈴木医師によると「問題ない」とのこと。とはいえ前述の通り、溜まった水には表面張力が働いているため、必ずしも水が抜けるとはいえない方法です。

・水の入った耳に、手ですくったごく少量の水をぽたぽたと入れる

 通称「呼び水」と呼ばれるこの方法は、水泳選手やサーファーなどがよく行うとされ、ネット上でも有名です。しかし、鈴木医師によると「おすすめできない」そう。その理由は、水が耳に入るとめまいを起こす可能性があるからです。もちろん、シャワーなどで勢いよく水を流し込む行為も危険ですから、絶対に避けてください。

・耳にドライヤーの弱い温風や温かいタオルを当てて温める

 この方法では、温めることで溜まった水の表面張力が弱まるとされています。鈴木医師によると、「タオルで温めるのは良いですが、ドライヤーはやめた方が良い」とのこと。耳に風が入ると内耳が刺激され、めまいを起こすことがあるそうです。

 やはり耳に何かを入れるのはご法度。水が入らないよう対策しておくのが一番良い方法のようです。

(Hint-Pot編集部)

鈴木 香奈(すずき・かな)

金沢駅前ぐっすりクリニック院長。日本耳鼻咽喉科学会専門医。1996年、金沢医科大学卒業。睡眠時無呼吸症候群を核に一般耳鼻咽喉科診療を行う。