うっかり種を食べても大丈夫？　実は栄養たっぷり

　もう一つ気になる言い伝えに「スイカの種を食べると盲腸になる」といったものがあります。こちらも根拠はなく、うっかり飲み込んでしまっても問題ありません。スイカの種の外皮は硬く、体内ではほとんど消化されずに便として出てきます。

　スイカの種は血液サラサラ効果を期待できるリノール酸が豊富といわれています。また漢方では強壮や止血、のどの痛みに良いとされ、種の中身を塩で炒って食べたり、煎じたものを飲んだりします。中華圏ではお茶請けなどとして常食され、袋入りのものは海外旅行土産としても人気です。日本でも煎って味付けしたものは種実類として扱われています。

　さらに、スイカの皮は果肉同様の栄養素を含んでいることが知られています。赤い果肉を食べた後に緑色の硬い部分を取り除き、適当な大きさ（拍子木切りなど）に切って、塩昆布と和えてゴマ油をひと振りして食べます。浅漬けやぬか漬けもおすすめです。

　また、そのままサラダ感覚でドレッシングをかけて食べるのも良いでしょう。リコピンやβカロテンは脂溶性のため油との相性が良く、吸収率をアップさせます。赤い果肉部分を少し残しておくと見た目もきれいです。

冷やしすぎ注意…丸ごとなら常温保存　おいしさキープのコツは

　スイカは冷やしすぎると甘味が落ちてしまいます。丸ごとなら保存は常温で。直射日光を避けて風通しの良い涼しい場所が良いでしょう。

　冷蔵庫に入れるのは食べる2～3時間前が良いでしょう。もっとおいしくいただきたい場合は、大きなボウル（バケツ）にスイカを入れて布巾をかぶせ、上から水をかけて冷やす方法があります。

　カットスイカは傷みやすいので、冷蔵保存が良いでしょう。乾燥に弱いので、できればそれぞれラップに包んでから冷蔵庫の野菜室で保存します。

　食べ切れない場合は、一口大くらいにカットした果肉を冷凍保存袋に入れ、密封してから冷凍庫で保存すると良いでしょう。そのままシャーベットとして食べられますし、ミキサーを使ってスムージーも作れます。また、冷凍スイカにキウイフルーツやパイナップルなど他のフルーツを加えて、炭酸水を注げばフルーツポンチにも。ひんやりとした旬の極上スイーツです。

　日本の夏を代表する味覚といえばスイカ。さまざまな通説はありますが、適量をおいしく楽しみたいですね。

（Hint-Pot編集部）