どうぶつ
ドイツの猫事情 譲渡には厳格な取り決めも 日本人ライターが綴るお迎えへの準備
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情報収集で分かったドイツで人気の猫種
インターネットで猫の紹介ページを閲覧していると、ドイツで親しまれている猫種の傾向が掴めてきます。例えば最も多く里親さんを募集している猫種はブリティッシュショートヘアで、続いてベンガル、そしてメインクーンといったところでしょうか。
特にヒョウ柄が特徴的なベンガルはこちらで大変人気が高いみたいで、嗜好がうかがえますよね。ちなみに、僕がこれまで日本でともに暮らしてきた猫たちはすべて雑種で、僕自身、猫種にまったくこだわりはありません。性格についても猫によってさまざまですから、「べったり型」でも「ツンデレ」でもかまいません。お互いを理解して、ともに生きる。僕の願いはそれだけです。
また、ドイツの知り合いから聞いた情報によると、こちらでは5月に母親猫が子猫を出産するケースが多いそうです。特に地方の農家や牧場などではハト、スズメ、ネズミなどから農作物を守る理由で猫を飼っていることが多く、そこで多くの子猫たちが生まれ、里親さんの元へ譲り渡されるのだそうです。
ドイツで猫の譲渡には厳格な取り決めが
また、ドイツでブリーダーさんや飼い主さんから子猫を譲り受ける際は、出産から12週間前後経過した後でなければならないなど、生育や成長の観点から譲渡に厳格な取り決めがされていることが多いです。加えて寄生虫の駆除やワクチンの予防接種なども配慮されていて、僕のように初めてドイツで猫と共生しようとしている者にとっては安心できる決め事が多いように感じました。
ただ、いろいろと調べていると、譲渡元はやはり市内中心部よりも郊外や地方の方が多いようです。僕はこちらで車をリースして所有していますので、遠方に伺うのにそれほど障害がないのが幸いです。とりあえず今は慎重に、貴重な出会いの場を探したいと思います。
さて、それでは、前回までの原稿で記してきたように、まずは僕の部屋に5つある窓に猫脱出防止用の網を張る作業から始めましょう。ただし、各窓の形状はそれぞれに大きさや開き方が異なるので、かなりの工夫が求められそうです。単純に網を設置するだけというわけにはいかず、もしかするとフェンスや衝立(ついたて)なども必要になるかもしれません。
ということで、次回は窓に網をどのように張るのか、その試行錯誤と実際の作業についてお伝えしたいと思います。それではまた!
(島崎 英純)
島崎 英純(しまざき・ひでずみ)
1970年生まれ。2001年7月から2006年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。2006年8月にフリーライターとして独立。2018年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。