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ドイツの新居は「ペット不可」 猫と暮らしたい現地サッカー記者が迎えた第一関門

著者:島崎 英純

アパートメントの窓。猫を飼うためには何らかの脱出走防止策を考える必要が【写真:島崎英純】
アパートメントの窓。猫を飼うためには何らかの脱出走防止策を考える必要が【写真:島崎英純】

“動物福祉先進国”と呼ばれるドイツで、もし猫と暮らしたくなったら――。2018年から同国に在住するサッカーライターで、大の猫好きでもある島崎英純さんが「海外で猫を飼う」というチャレンジをお届けするこの連載。3回目の今回は、愛猫との生活を実現する上で第一関門になった「大家さんとの交渉」についてです。大家が法律に従って居住条件を決めるという国では、何事も交渉が大切なようで……。

 ◇ ◇ ◇

ホテル住まいから“掘り出し物”のアパートへ移れることに

 僕は今、ドイツ第5の都市であるフランクフルト(正式名称はフランクフルト・アム・マイン)に居をかまえています。場所は市内中心部から地下鉄で数駅の距離にある郊外。借りているのは、静かな住宅地の真ん中に商店街が貫かれた利便性の高い地域に建つアパートメントです。

 このアパートメントは不動産会社を営む知り合いの女性が見つけてくれました。日本から渡航したばかりでホテル住まいをしていた僕に、「すごい“掘り出し物”が見つかった! 場所も良いし、お家賃もお手頃だから、さっそく大家さんに会いに行きましょう!」と連絡をくれたのです。ただし、その女性はこうも言いました。

「すでに借り主の候補があなたを含めて3人いるみたいで、それぞれに面接して大家さんが決めるらしい」

 借り主候補の1人は何と大家さんの娘さんからの紹介だそうで、これは大変不利だと感じました。そもそもこちらは、まだ長期滞在ビザも取得していない中年の日本人男性ですから、その素性だけで怪訝な顔をされそうです。

 半ば諦め気味に、それでも緊張気味に大家さんのもとを訪れると、そこにはお話好きなおばあさまが。おばあさまは僕に付き添っている知り合いに、しきりに何かを話しかけていました。その内容は「あなたのマニキュア、きれいね~」や「娘の子どもが育ち盛りでね~」などといった話題で、何とも朗らかな方のようです。

 そして僕の職業がサッカーのジャーナリストだと聞くと、「あら? 私はサッカーに興味がないのよ。そもそも日本の方ってサッカーをなさるの?」と返事が。次にはまたまた女性同士でファッションの話をして盛り上がっています。

 大家さんは親切そうで、明るい性格だとお見受けしました。ただ、面接の後に「これから、残りの借り主候補と会うのよ」とおっしゃっていたので、感触としては「やっぱりダメかも……」という感じでその場を引き上げました。

 ドイツでの住居探しはなかなかに困難を極めると事前に聞いていたので、落胆しすぎることなく返答をお待ちすることにしました。すると翌日、何と大家さんから「あなたに決めたわよ」との返事が!

 ちなみに最有力候補と目された娘さん推薦の方は「部屋の形状を変えてほしいとか、いろいろ注文が多いから即座に断ったわよ! あなたの方がずっと長くお付き合いできそうだったから、迷うことなんてなかったわ」とのこと。ああ、良かった。これでドイツでの暮らしが正式にスタートすることになりました。

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