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夏休みの子どものクラブ活動 練習に力を入れる日本 休むことに集中するドイツ
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学校が夏休みに突入し、子どもたちにとってはスポーツをはじめとした課外活動の忙しい時期がやってきました。「ここが成長に向けての頑張りどころ」とつい力が入りそうですが、ドイツでは「休みだから、休む」とまったく異なるアプローチで夏季休暇に臨むようです。その徹底した姿勢の背景にある考えやメリットとは? 現地在住ライターの中野吉之伴さんに、解説していただきます。
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“休みだから休む”ドイツ 8月にサッカークラブの活動はなし
「ドイツでは夏季休暇中、子どもの部活動はどうなっていますか?」
以前、こんな質問を受けました。答えはとてもシンプルです。夏休みですから、休みます。
僕は今季、フライブルクのサッカークラブで育成年代の監督として12歳以下と13歳以下、19歳以下のチームを指導しています。フライブルクのバーデン=ヴュルテンベルク州では学校の夏休みが7月28日からスタートしましたが、クラブ活動も8月いっぱいお休みです。学校の新年度が始まる9月10日前後まで休むチームもかなりあります。ドイツに来て20年以上が経ちますが、夏休みにクラブの活動が入ったことなんて一度もありません。
一度8月20日頃から新シーズンに向けてのトレーニングをスタートしてみようと思い、クラブのスタッフやチームの保護者に相談してみたことがありました。しかし、「休暇中だから出られないよ」という家族の方からの意見が圧倒的に多かったんです。
「それは普通のクラブの話でしょ? 強豪クラブはしゃかりきにトレーニングしているんじゃないの?」
そんな風に聞かれることもありますが、前述のチームというのが、まさに地元ではトップ3に入る強豪。それこそドイツのプロサッカーリーグ「ブンデスリーガ」の育成アカデミーといった、よりプロフェッショナルなアプローチを取ろうとするクラブでも小学生年代だったら4週間の休みは当たり前。中・高校生年代でも少なくとも2週間はまとまった休みを取ります。