漫画
思い出のピアノ 大人になって手放した理由を描いた漫画に4万人が感動「優しいお話」
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子どもの頃からずっと大事にし続けてきたものでも、大人になると以前ほど必要がなくなることがあります。大切なものを手放すタイミングを見極めるのは、難しいこと。しかし、とても素敵な理由で、思い出が詰まったピアノと「さよなら」したエッセイ漫画が、インスタグラムで前後編合わせて4万件を超える“いいね”を集め大きな話題になっています。作者のヨシモフ郎(mofumofufufufufu) さんに詳しいお話を伺いました。
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家族の思い出がいっぱい詰まったピアノは工場に運ばれ…
フォロワー数は何と7.5万人の、大人気インスタグラマー・モフ郎さん。キリリとした見た目とは裏腹に超かまってちゃんなドーベルマン「ドベ」くんと、山を徘徊していたところを保護された武士のような性格の犬「ノラ」くんとのほっこりとした生活を、イラストや漫画に描き発表しています。
しかし、今回ご紹介するのは、かわいい2頭が主役……ではなく、子どもの頃から大切にしていたピアノを手放したお話。漫画は、リビングにある傷だらけの古いピアノの思い出を振り返るシーンから始まります。
ピアノを弾くと、他のことをしながらも、さりげなく耳を傾けてくれた両親。本当は下手くそでも「上手上手」と褒めてくれる祖母や従姉妹。もちろんドベくんやノラくんなど、動物たちとの思い出も詰まっています。
ところが、小さい頃からたくさん弾いてきたピアノも、大人になると次第に弾かなくなり……。とうとうお別れの日が来てしまいました。屈強な男性たちに抱えられたピアノは、大きなトラックで工場へと運ばれ、解体されます。
その後、どうなったかというと、数週間かけてピカピカにメンテナンスされ、姉家族の家へと運ばれていきました。そう、ピアノはモフ郎さんのもとからはお別れしましたが、二度と弾けなくなってしまったわけではありません。
生まれ変わったピアノはきっと、これから姪っ子さんたちのもとでたくさん弾かれ、さらに思い出を刻んでいくのでしょう。物語は「さよならピアノ そして これからもよろしく」と前向きな言葉で締めくくられています。
修理費は30万円弱 それでも引継ぎたかった大切なピアノと思い出
漫画は前後編ともに、それぞれ2万件を超える“いいね”を集めて話題に。コメント欄には、「めっちゃ良い話です」「娘が音大生です。心に刺さりまくり」「優しいお話ですね。大切な思い出を引き継いでこれからも紡いでいくのですね」など、感動の声があふれました。
工場に運ばれたピアノは、水害で2度浸水した過去もあり、カビが生えた部分もあったため、部品を交換してもらうなどの処置がされました。配送料や調律費も合わせると、30万円弱はかかったそう。
モフ郎さんは「たぶん、この値段を出せば、ピッカピカの傷一つない新しい電子ピアノとかも買えた気がするけれども、弾けるのならばこの傷だらけのピアノを弾いてほしかったんだよー」と、その思いを語っています。
姪っ子さんがもう少し大きくなった時、この作品を読めばモフ郎さんがピアノを譲ってくれた意味を知るでしょう。そして、ずっとずっと大切に、末永く使い続けてくれるはずです。