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お盆のお供え“基本の5つ”とは 線香の煙は仏様のごはんに 水を供えると浄化される?

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

盆棚で見かけるキュウリとナス

ござを敷きお供え物を置く盆棚(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ござを敷きお供え物を置く盆棚(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 この他、先祖の霊を迎えてもてなす「盆棚」もあります。宗派によってはない場合もありますが、「精霊棚(しょうりょうだな)」や「先祖棚」などと呼ばれるものです。仏壇の近くに棚を設え、ござを敷いて菓子や果物、そうめんなどのお供えなどを飾ります。

 盆棚のお供えで独特なのは、キュウリとナスに箸などを差した飾り。「精霊馬」や「精霊牛」と呼ばれるこれらは先祖の“乗り物”を表し、キュウリを馬、ナスを牛に見立てています。キュウリとナスを使う理由は、どちらも旬の野菜で手に入りやすいことからではないかとみられていますが、明確には分かっていません。

 乗り物の意味には、さまざまな言い伝えがあります。先祖が馬に乗り、牛に荷物を積んであの世とこの世を行き来する説や、先祖がこの世にやってくる時は馬に、あの世に帰る時は牛に乗る説もよく知られています。後者の説には、馬は走るのが速いので「すぐにこの世に来てほしい」との思いが、牛は歩みが遅いので「あの世に帰る時はゆっくり」との名残惜しさが込められているそうです。

 地域によって違いはありますが、故人を偲び、先祖への感謝を表す心は同じ。古くから日本に伝わる大切な節目を大切にしたいですね。

【参考】
「日本のしきたりがまるごとわかる本」(晋遊舎)
「眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり」千葉公慈監修(日本文芸社)

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu