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すだちとかぼす 皮を下にして絞ると良い理由は? 風邪予防や疲労回復に効果も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

栄養の違いは? レモンとも比較

すだち(左)とかぼす(写真はイメージ)【写真:写真AC】
すだち(左)とかぼす(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 栄養価に違いはあるのでしょうか? 同じく果汁を使うことが多いレモンも加えて、日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、果汁(100グラムあたり)を比較してみましょう。

○エネルギー
すだち 29キロカロリー
かぼす 36キロカロリー
レモン 24キロカロリー

○カリウム
すだち 140ミリグラム
かぼす 140ミリグラム
レモン 100ミリグラム

○ビタミンC
すだち 40ミリグラム
かぼす 42ミリグラム
レモン 50ミリグラム

 すだちは、かぼすより皮が薄く、一般的にすりおろしたり、切り刻んだりして使います。すだちは果皮にも栄養がたっぷり。スダチチンという成分が含まれ、抗酸化作用があるといわれています。さらに100グラムの果皮あたり、カリウムが290ミリグラム、ビタミンCが110ミリグラム。皮も日々の料理にプラスしたいですね。

 両者の共通の栄養として特徴的なのは、クエン酸が豊富なこと。食欲の増進やミネラルの吸収を促し、風邪予防や疲労回復も期待できます。色素成分はポリフェノールの一種であるフラボノイドで、抗酸化作用、抗がん作用も注目されています。

 また香気成分のリモネンは、リラックス効果とストレス解消に役立ちます。近年では抗ウイルス作用も注目されている成分で、皮を下にして絞ると皮の風味が加わり、より風味を楽しめます。

 夏の暑い季節にぜひ食卓に取り入れたい食材です。料理に添えるだけではなく、搾った果汁を飲み物や、いつものタレ、ドレッシングにプラスすると、栄養のメリットをいただくだけではなく、さわやかな香りに癒やされるでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾