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ベビーカーをたたむべきか論争 30年前の思い出描く漫画に反響 作者が込めた思いとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:文千代(@buncho_paradise)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:文千代(@buncho_paradise)さん】

 時代によって子育てを取り巻く社会環境は変化を続けていますが、「公共交通機関でベビーカーをたたむべきか」論争は不定期に繰り返されています。今回ご紹介するのは、まだベビーカーの乗り入れが各所で禁止されていた30年前の思い出を綴ったエッセイ漫画。思いがけない優しさに救われたというエピソードです。作者の文千代(@buncho_paradise)さんは、ベビーカーユーザーと周囲が“お互いに”配慮し合える社会になれば……という思いを込めて描きました。ツイッター上で5000件近い“いいね”が集まった作品は、さまざまな立場から考えるきっかけをもたらしてくれるでしょう。詳しいお話を伺いました。

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駅構内もベビーカーの乗り入れ禁止 エレベーターもほとんどなかった時代

 文千代さんが描いたのは、息子さんがまだ赤ちゃんだった30年前のお話。当時、電車やバスだけでなく、駅構内もベビーカーでの乗り入れは禁止されていたそう。もちろん文千代さんはルールを守って利用していましたが、息子さんが出先で眠り込んでしまい、駅に着いても起きなかった日がありました。

 ベビーカーから降ろすと泣き出すのは必至。そうなっては周囲に迷惑をかけてしまうため、電車には乗れません。そう判断した文千代さんは、息子さんをベビーカーに乗せたままで乗車させてもらえないか、駅員さんにお願いしてみることにしました。

 すると、駅員さんは許可をしてくれただけでなく、親切にもベビーカーをホームまで抱えて下ろしてくれたそう。当時は、都心でもエレベーターがほとんど設置されていなかったため、駅員さんは瞬時に機転を利かせてくれました。

「お母さん、荷物が多いから大変でしょう。でも、このルールはベビーカーが邪魔だからではないんです」。どちらかというと無表情だったという駅員さんでしたが、身をもって示してくれた優しさとかけられた言葉が忘れられない文千代さん。現在は駅構内や電車、バスにベビーカーで乗り入れできるようになり「本当に良かったなぁ」と、子育て世代を見守っているそうです。

 このエピソードはツイッター上で反響を呼び、5000件近い“いいね”が。また、引用リツイートなどで、「昔はそんなルール化がされていたなんて……。駅員さん優しい、ありがたいですね」「良い話……だけど30年前の世界(ベビーカーNG、エレベーター無し)つらすぎる」など、現在とはルールが違うことに驚く声が。さらに、「ママに優しい国になってほしい」「もっと寄り添って改善してあげてほしいなぁ……」といった声もありました。

 一方で、持ち込む時間帯が問題なのではという声や、駅員さんが「このルールはベビーカーが邪魔だからではない」とした理由に注目する声もあり、それぞれの立場や状況によって異なる意見があると良く分かる状況です。同じ電車に乗り合わせたという偶然の関係ではありますが、お互いに譲り譲られの心で臨機応変な対応が必要なのかもしれません。