Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

子どもが「髪を染めたい」と言ってきたらどうすればいい? 何歳からOK? 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

子どもだけじゃない 大人も注意が必要

自宅で髪染めをする場合は、子どもがいない場所で(写真はイメージ)【写真:写真AC】
自宅で髪染めをする場合は、子どもがいない場所で(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 子どもが髪を染めなくても、大人が家でセルフカラーをしている場合は注意が必要です。髪を染めている最中に、子どもがカラー剤に触らないようにしてください。

 また、カラー剤は独特な刺激臭がしますので、小さいお子さんは目や鼻、のどに違和感を覚えるかもしれません。吸いこんだからといって危険な状態になることはほぼありませんが、子どもがいない場所で行うようにしてください。

 大人の場合、何度も髪を染めているから大丈夫と油断しがちですが、いつも使っているものでも体調によってはかゆみや痛みを感じることがあります。皮膚や毛穴から薬剤の成分が体内に入り、それが蓄積されて体内で悪さをするという話を耳にしたことがあるかもしれません。アレルギーは突然起こることがあるので、セルフで染める場合はパッチテストを必ず行いましょう。

 妊婦さんがヘアカラーをしていると「お腹の子どもに悪影響では」といわれたりもしますね。エビデンスはありませんが、体内に入ったとしても極めて少ない量なので気にするほどではありません。体には悪いものの侵入を防ぐ機能もありますので、蓄積されていくことも考えにくいでしょう。

 ただし、妊婦さんは肌がデリケートになっていますし、においにも敏感。普段使っているものでもかぶれることがあるので、体調を見ながら行ってください。

髪色を変えておしゃれを楽しみたいなら一時染めを使って

 子どもが髪を染めたいという気持ちを否定することはありませんが、染めることによって生じるリスクについて親がきちんと話をすることが大切です。

 リスクを理解した上でどうしても染めたい、髪色を変えたいというのであれば、シャンプーで落ちる一時染毛料を使ってみては。ヘアマスカラ、ヘアカラースプレーと呼ばれるもので、髪表面だけを色付けするものです。ヘアマニキュアは髪の内部に浸透していくので、ダメージを考えると子どもは避けた方がいいでしょう。

 髪は生え変わるのだから、多少のダメージならいいのでは? と軽く考えず、皮膚の炎症、アレルギーのことを考え、ヘアカラーに対して慎重になりましょう。

 大人の場合も、安心しておしゃれを楽しむためにセルフで染める時は説明書をしっかりと読み、正しく使用してください。皮膚に違和感がある時は、すぐに使用を中止し洗い流すこと。かゆみや痛みが続く時は皮膚科を受診してください。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。