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枝豆とビールはなぜ“黄金コンビ”なのか 栄養素的にも優秀 食べるべきタイミングは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

お通しだけではなく中盤にも食べたい アルコール分解に関わる注目すべき栄養

注目すべき栄養を含む枝豆(写真はイメージ)【写真:写真AC】
注目すべき栄養を含む枝豆(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 畑の肉と呼ばれる大豆と同様に高い栄養価を誇る枝豆。大豆にはほとんど含まれないビタミンCの他、良質なタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンB1、B2、葉酸、カルシウムやカリウム、リン、鉄などが含まれています。

 茹でた枝豆のエネルギーは可食部100グラムあたり118キロカロリーです。枝豆の廃棄率は50%なので、さや付き200グラムが可食部100グラムになります。

 枝豆がお酒のおつまみとして向く理由は、ビタミンB群が豊富なところ。体内でアルコールを分解する際はビタミンB1が消費され、不足しがちになります。そのため、一緒に枝豆を食べるメリットはあるといえるでしょう。

 さらに枝豆には、アミノ酸の一種メチオニンが含まれています。この成分はアルコール分解を促進し、肝臓の負担を軽くするといわれているものです。食べるタイミングは最初のお通し以外にも、肝臓に送られるアルコール量が増える中盤以降が良いでしょう。

 以上の要素から、そもそも栄養が豊富な枝豆は“優秀”な食材であり、お酒とも好相性であるといえます。ただし、飲酒には適正量を守ることが大切です。

 厚生労働省が示す指標によると、節度ある適度な飲酒は1日平均で純アルコール20グラム程度。ビール中瓶1本(500ミリリットル)、清酒1合(180ミリリットル)、ワイングラス2杯弱(200ミリリットル)がこれに当てはまります。女性や高齢者、アルコール代謝能力が低いため少量の飲酒で顔が赤くなったり、吐き気や眠気、頭痛などの症状が出たりする人は、これよりも少ない量です。

 枝豆があるからといって、飲みすぎは体に良くありません。おいしい枝豆と適量のアルコールで、残暑を乗り切りましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾