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ブラピ主演『ブレット・トレイン』 米ティーンのアイドルが“大人の俳優”になる過程とは
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ジョーイ・キングの“主役人生” 23歳で芸歴は約20年
プリンスを演じるのは、ジョーイ・キング。プリンスは自らを脇役と感じているが、実人生においてキングは主役だ。
初主演作は、2010年に公開された子ども向けファミリーコメディ『ラモーナのおきて』。たった9歳で獲得した主演の座だが、この役を演じたことで「自分のやりたいことを理解し、それを実現させようと努力することができ、幸運だった」と言っている。
以降、堅実にキャリアを重ねた。主演した青春ロマンチックコメディ『キスから始まるものがたり』3部作(2018~)でティーンのアイコンになり、病的な愛情を注ぐ母と娘のスリラードラマ「見せかけの日々」(2019)でエミー賞優秀主演女優賞にノミネートされ、強制的な結婚を自らの手で阻止し、自由な社会を築く王女を描く『ザ・プリンセス』(2022)では初の製作総指揮を務めている。
カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれたキングは、4歳の時にシリアルのコマーシャルでデビュー。現在23歳であるにもかかわらず約20年の芸歴を持つ。同じく子役出身のドリュー・バリモア(『E.T.』1982など)は、「自伝を演じてもらうならジョーイ・キングに」とTikTokで語っている。
それでも思春期のキングはさまざまな思いに悩まされた。例えば、『キスから始まるものがたり』で演じたエルはノア(ジェイコブ・エロルディ)とハッピーエンドになるが、このカップルのファンになったティーンは、まるで現実であるかのように俳優2人のプライベート情報を望んだ。それらはインスタグラムを通じて投下され、これによってさらに膨らんだファンの熱望は、作品をシリーズ化させることにつながった。
作品をヒットさせる構造としては成功ともいえるが、まだ10代のキングにとってそれは恐怖だった。自分自身のメンタルを維持するために必要なことを、積極的に取り入れたとも語っている。