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秋が旬のナス 「栄養がない」は本当? 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
通年スーパーマーケットに出回りますが、元々は今の季節が旬のナス。日本では昔から親しまれてきた野菜の一つで、地域によってさまざまな品種があります。水分が多くカロリーが低めなことから、キュウリと同様に「栄養がない」とのイメージを持たれますが、本当でしょうか? 栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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日本には地方独特の品種がある 古くからなじみのある野菜
ナスは、インド原産の野菜です。暑い方が育ちやすく、太陽の光にたくさん当たって育ったナスは色も鮮やかだといわれています。日本では、奈良時代にはすでに作られていたとみられています。夏に採れる野菜として、古くから親しまれてきました。
昔から、日本ではその地方独特の品種が栽培されてきました。中長ナスをはじめ、主に東北から関西、北陸地方などで作られている丸ナス。西日本や東北地方などでは長さが20センチほどになる長ナスが作られ、さらに九州地方では40センチほどになる大長ナスなど、日本全国にさまざまな品種があります。
今でこそ、ハウス栽培が盛んですが、江戸時代には初ナスを少しでも早く作ろうとする技術も開発されました。寒い冬でも育つように障子で囲み寒さを防いで、お正月に向けて作り、高額で売られていたようです。
初夢で見ると縁起が良いものとして「一富士、二鷹、三茄子」の伝承があります。語源には諸説ありますが、一説によると、徳川家康が住んでいた駿河の国(現在の静岡県)の高いもの3つの意味があり、1番目が富士山、2番目が愛鷹山、3番目が初ナスの値段のことだったとか。