ライフスタイル
無縁なようで実は仲間? 「綿」と「オクラ」の育ち方から学ぶ“衣育”とは?
公開日: / 更新日:
オクラの花にそっくり 食べ物も着るものも同じ土から育つと実感
まず身近に“綿畑”を見るチャンスがない理由は、今や日本の綿の自給率がほぼ0%というところにあります。生産地域が限定的なカカオやコーヒーと同じくらいのレア感です。その昔、日本では、季節の移ろいを示す暦(七十二候)に「綿柎開(わたのはなしべひらく」という時期があるほど、綿栽培は身近でした。
戦国時代から江戸時代にかけて一気に広がった綿(木綿)の栽培は、米などとも並んで自給自足にとどまらず商品としての販売も盛んに行われていたようです。ところが、明治時代に海外から安価な輸入綿が手に入るようになったことで、国内での綿栽培は当時ほぼ消滅していきました。
一方で、綿は、嗜好品ではなく生活必需品。だからこそ、生活の基本土台となる“衣・食・住”の一つとして、どのように生まれているかを体験することは、令和の子どもだけでなく大人にも多くの学びと意識の変化を与えてくれると感じています。
和綿の花は、夏に咲きます。同じくらいの時期に、ほぼ区別がつかないほどそっくりなある野菜の花が咲きます。それは、オクラです。オクラといえば、野菜の中でも群を抜いて美しく可憐に咲く花が特徴ですが、和綿とオクラ、咲いた花だけでは見分けがつかないほどそっくりなのです。
同じアオイ科の植物に分類される仲間です。花が咲くオクラと、同じ土から育つ綿を並べてみると、綿も野菜と同じように大地が生んでくれる自然の恵みなのだと実感させられます。今年の夏休みは、そっくりな2つの花の美しさを家族で楽しみました。