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無縁なようで実は仲間? 「綿」と「オクラ」の育ち方から学ぶ“衣育”とは?

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

コットンボールは秋に収穫 旬野菜を楽しむように綿花に触れてみよう

秋になると、花が枯れて実が弾け、コットンボールと呼ばれるフワフワの綿の実と種が収穫できる。我が家も収穫が楽しみ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋になると、花が枯れて実が弾け、コットンボールと呼ばれるフワフワの綿の実と種が収穫できる。我が家も収穫が楽しみ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 農家の視点と立場から、食育と重ねて「衣育」について考えてみると、季節の花や旬の野菜を楽しむように、まず衣服の原材料である綿花に触れてみることが、楽しみながら自然と学びも得られる選択肢の一つとして良いのではと思います。

 綿の実から糸を紡ぎ、布へといったプロセスを家庭で踏むことは難儀を極めるものの、生活の中にちらりと綿花を取り入れてみることから「衣育」体験をしてみてはいかがでしょうか。

 例えば、花屋などで綿花のドライフラワーを買って観賞してみる、綿花の種を買って、家庭菜園でプランター栽培してみるなど。「衣」の材料がどのようなものか身近に触れることによって、今着ているもの、使っているものを「無駄にしない」意識も高められるのではないかと感じています。

 国内では綿の栽培文化を復活させるための動きが広がりつつあります。日本にある綿花の栽培・綿の収穫体験もあり、衣育の体験の場の一つとして、秋の綿畑を調べてみるのも面白いかもしれません。

【参考】
「ワタの絵本」日比暉(農山漁村文化協会)
「イチからつくるワタの糸と布」大石尚子(農山漁村文化協会)
「新版 食材図典 生鮮食材篇」監修:芦澤正和/飯塚宗夫/武田正倫/成瀬宇平(小学館)
農研機構「カイコのひみつ」
 https://www.naro.go.jp/publicity_report/season/134952.html
「苧麻・絹・木綿の社会史」永原慶二(吉川弘文館)
日本綿業振興会
 https://cotton.or.jp/index.html

(こばやし なつみ)

こばやし なつみ

半農半フリーランスPRプランナー。2009年に大学卒業後、東京のPR会社に就職。PRプランナーとして勤務後、14年に独立。同年、茨城県・水戸の兼業農家へ嫁ぐ。16年9月に茨城県立農業大学校いばらき営農塾(野菜入門コース)を修了、同11月に第1子を出産。現在は少量多品種(年間約30~40種)の野菜を義両親と共に作り、販売する傍ら、平日は執筆、意識調査の設計・分析等の仕事もこなしている。