からだ・美容
肥満やセルライトの原因になることも むくみの注意点やケア方法を医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
まだまだ暑い日が続き、冷房が欠かせませんね。しかし、冷房による冷えで体がだるい、足がむくんでつらいという人もいるのではないでしょうか。夏から秋への季節の変わり目は朝晩と日中の気温差もあり、むくみやすくなっています。気になっているけれど、正解がどうも分からないという健康や美容の疑問を、医師が解説するこの連載。今回のテーマは「むくみ」についてです。放っておくとセルライトや肥満の原因になることもあるそう。むくみの原因や対処法を佐藤卓士医師に伺いました。
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血行不良や過剰な水分摂取で皮下組織に水分が溜まった状態
朝起きるとまぶたが重く感じる、顔がパンパン、夕方になるとふくらはぎが張ってくる、むくみで指輪がきつい……。
多くの人が経験したことがあると思います。この「むくみ」は主に血行不良によって引き起こされます。
私たちの体には血液が流れていますね。血管を通し、心臓から各臓器に必要な酸素や栄養素を届け、同時に排出された二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に血液を戻します。
血液には水分も含まれているため、このサイクルが正常に行われないと血管から水分が染み出て、細胞と細胞の間に溜まってしまいます。水分や老廃物が皮下組織にどんどんたまり膨れ上がった状態が「むくみ」となるのです。
血流が悪くなるとむくみにつながる 寝不足やストレスにも注意
血行不良は、冷え、運動不足、寝不足、ストレスなどによって起こります。
夏はついつい冷房が効いた部屋に長時間いたり、冷たい飲み物をたくさん摂ったりしがちですよね。すると、体が冷えて血流が悪くなって手足のむくみにつながります。
デスクワークでずっと同じ姿勢でいるのも、血行不良のもと。重力により水分は下がっていきますから、足はむくみやすい上に動かさないでいるとさらにパンパンに張ってしまいます。足は血液を送り出す心臓からも遠い位置にあるので、体の中でも特にむくみやすい場所なのです。
また、寝不足やストレスは自律神経が乱れ、体温調整がスムーズにできなくなったり、代謝が鈍ったりし、むくみを引き起こす原因の一つになります。