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ペットボトルのキャップに風景画 直径28ミリのアートに約5万人感嘆「標本にしたい」
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思うように創作活動ができなかった日々も
こうして画家としての活動をスタートした西倉さんでしたが、続けていくうちにある壁に突き当たります。それは大好きな風景画を描く機会をキープしていくのは難しいということ。
西倉さんの絵は、細かな描写を売りにしており、制作には膨大な時間を要します。そのため、いつしか制作時間が風景画ほどかからず、周囲の反響も良い動物をメインとした作品ばかりを描くようになっていきました。
「もちろん動物も大好きですが、風景ではなく『動物の絵を描く作家』として認知されつつあったことに、自分の中でもどかしさを感じていました」
そんな時に始めたのが、ボトルキャップアートだったのです。
「懇意にしている渋谷『Boji hair+gallery』のオーナーから『細かな描写が得意ならいっそのこと小さな絵を極めてみては』とアドバイスをいただき、どのような作品か考えていた時でした。偶然、地元のショッピングモールで、小学生が作ったペットボトルキャップのモザイクアートを見かけたんです」
「キャップを並べて一つの絵を作る手法はよく見かけるけれど、一つのキャップに絵を描く人は少ないのでは」と思った西倉さんは、試しに得意とする風景画を描いてみることに。すると、想像以上にかわいらしい作品に仕上がり、SNSでも反響を呼びました。そこで、描き続けることにしたのだそうです。
捨てられるはずのキャップに新たな価値が生まれるのが魅力
ペットボトルのキャップであればサイズが小さいため、制作にはそれほど時間がかかりません。1つ完成させるのに要する時間は、平均3時間程度。そのため、西倉さんは念願だった大好きな風景画を思う存分描けるようになりました。
その制作意欲はすさまじく、ボトルキャップアートを始めたのは今年の6月ですが、すでに作品は40個以上になるそうです。
「本来はゴミとして捨てられるはずだったキャップが、アート作品に生まれ変わり価値を見出してくださる方がいらっしゃるところが魅力ですね。また、一般的なサイズのキャンバスだと荘厳に見える絵でも、キャップだとかわいらしく見えて親しみが持てる点も気に入っています」
西倉さんの作品は、9月28日(水)から10月9日(日)まで和歌山の「Gallery&Cafe AQUA」にて展示予定(キャンバス作品のみ)。10月1日(土)・2日(日)には、渋谷の「Boji hair+gallery」にて、話題になっているボトルキャップ作品を展示します。
「10月1日には、キャップを使ったライブペイントを行います。制作風景をご覧になりたい方はぜひいらっしゃってください」と、西倉さんは笑顔で呼びかけています。
(Hint-Pot編集部)