地図を見て、周囲の環境は必ずチェックを！

「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんによると、こうした騒音問題は昔から“マンションあるある”なのだそう。

「音は意外なところで反響し、上にいくものです。近隣のビルに反響した音が、上層階まで大きく聞こえたりすることもありますしね。タワマンはペアガラスなど性能の良いサッシを使っているので、窓を閉めていればある程度の騒音は防げるのですが、開けてしまうとどうにもなりません。

　窓を閉め、エアコンをかけて過ごすしかないでしょう。ただ、エアコンを嫌がる方もいらっしゃるので、彩名さんの例でいえば引っ越すのが最善策だと思います」

　では、購入前に注意できることはあるのでしょうか？

「彩名さん自身もおっしゃっていますが、モデルルームだけで購入を決めるのはやや早計です。建設予定地の地図をよく見て、学校やスタジアム、アミューズメント施設など、騒音の出やすい建物が近くにないか確認した方がいいでしょう。また、周囲にタワマンが林立するエリアは騒音が響きやすいので、耳が敏感な方は避けた方がいいかもしれません」

　モデルルームなどのデベロッパーが発信する情報だけで満足せず、周辺環境については自分自身で詳しく調べる必要がありそうです。

（和栗 恵）

姉帯 裕樹（あねたい・ひろき）

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。