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ブドウの皮 表面の白い粉は食べても平気? 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

皮に栄養 ポリフェノールがたっぷり

ブドウの皮に栄養は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ブドウの皮に栄養は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 このように、自らが作り出すろう物質が付き白っぽく見えることがあるブドウの皮ですが、皮に含まれる成分もあります。代表的なのはブルーベリーなどにも多く含まれる青紫色の天然色素、アントシアニン。ポリフェノールの一種で黒や赤系の皮には豊富に含まれ、動脈硬化の予防や目の疲労の軽減に役立つとされています。

 同様に、レスベラトロールもブドウの皮に多く含まれるポリフェノールの一種。抗酸化作用があるといわれ、生活習慣病予防に期待されています。

 ちなみに、皮付きと皮なしで主な栄養価に違いはあるか、日本食品標準成分表2020年(八訂)を基に100グラムあたりの含有量を比較してみましょう。

 ブドウの主成分は、エネルギー源となるブドウ糖や果糖などの糖質(炭水化物)で、カリウムが多いのが特徴です。カリウムには余分な水分や塩分を排出する働きがあるため、むくみや高血圧の予防効果に期待できます。

○エネルギー
皮なし:58キロカロリー
皮付き:69キロカロリー

○炭水化物
皮なし:15.7グラム
皮付き:16.9グラム

○カリウム
皮なし:130ミリグラム
皮付き:220ミリグラム

 皮ごと食べられる品種であれば、皮ごと食べた方が栄養メリットは大きいといえます。しかし、一般的に皮を食べない品種のものは食べることをおすすめしません。皮は消化が悪いため、消化不良を起こすと考えられるのが理由です。

 栄養成分をくまなくいただきたい場合は、ミキサーなどにかけてジュースにすると良いでしょう。ブドウの種も栄養価が高いといわれているので、ミキサーにかけることで消化吸収しやすくなり、生活習慣病予防に期待できます。ただし、糖質が多いため、血糖値が気になる人は量に気をつけていただきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾