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ブドウの皮 表面の白い粉は食べても平気? 栄養士に聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
今が旬のブドウ。ブドウ狩りで摘んだものや店頭に並んだ商品の表面に、白っぽい粉が付いていることがあります。あの白い粉の正体は何なのでしょうか? カビや農薬ではないかと心配する声も。そこで、食べても平気なのか、その正体や旬の栄養価を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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みずみずしく風味が良い証拠
ブドウは栽培の歴史が古く、ワインの原料にもなるなど世界で親しまれている果実。日本では生で食べられることが多く、皮の色味によって、黄緑系、赤系、黒系があります。色の違いはアントシアニンという色素の蓄積によるものです。
表面に白い粉が付いているブドウを見かけることがあるかもしれませんが、これは果実に含まれる脂質から作られたろうが表面に出てきたもの。「ブルーム」または「果粉」などと呼ばれます。
ブルームは果実自身が作り出すろう物質で、雨水を弾いて菌から身を守ったり、水分の蒸発を防いだりするために発生させているといわれています。つまり、ブドウ自身が自らを病気や乾燥から守るために発しているものなので、食べても特に問題はありません。
まんべんなくたくさんのブルームが出ているブドウは、みずみずしく風味が良い新鮮なものといえます。ブルームを洗い流す際は食べる直前にしましょう。洗い流すとブドウが傷みやすくなるからです。
ブドウだけではなく、ブルームは他の果実にもよくみられます。摘んだばかりのブルーベリーやプラム、柿にも表面に白い粉が付いていることが。またリンゴを手に取ったところべたべたしているのも、リンゴが発した天然のろう物質がその正体です。病気や水分蒸発を防ぎ鮮度を守る役目をし、食べ頃のサインでもあります。
キュウリは元々ブルームが付く野菜ですが、現在では、店頭に並んでいるものにはほとんど付いていません。ブルームが農薬と勘違いされることが多かったため、品種改良されました。