仕事・人生
伝統文化を広める思い 熊野筆から地域や日本を元気に 30代女性の挑戦
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世界に認められた日本の伝統工芸品「熊野筆」を製造する家に生まれた三村理紗さん。海外留学や商社勤務を経て、家業を継ぎました。現在は日本の伝統や文化の継承にも着目し、地元の広島・熊野で一般社団法人My Japanを設立。地域活性や伝統文化を継承する活動を行っています。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。後編では、熊野筆の継承をきっかけに、観光ツアーや山地の地盤など地域の課題への挑戦と思いについてお届けします。
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地元の観光を元気に 早朝に行う歴史に触れるツアーを発案
広島県熊野町で「熊野筆」を製造販売する会社を家業に持つ三村さん。学生時代に英語を学び、海外留学を経験したことで、改めて日本の伝統文化を継承していくことの大切さを感じました。卒業後に商社での営業職を経て、家業の会社へ。そこで「日本文化の継承と確立」の必要性を知り、熊野筆など日本の伝統文化を広めるために一般社団法人My Japanを仲間たちと立ち上げました。
熊野筆をはじめ日本の伝統の素晴らしさ多くの人たちに知ってもらうために、まず力を入れたのは、「観光ツアーの構築」だったといいます。
「実は広島では旅行に訪れた人が朝に楽しめるコンテンツがあまりないんです。その結果、宿泊せずに日帰りで広島から帰ってしまうことが多いんです。まず地域の課題の解消として観光ツアーを作ることだと思いました」
そこで三村さんは、広島に前の日から宿泊しなければ参加できない「早朝」に開始時間を設定するツアーを発案。それが今、注目を集めている「Asageshiki」という広島の歴史に触れられる早朝ツアーです。
広島のパワースポットである二葉山を早朝にトレッキングして、歴史ある神社をめぐり、自然と景色を贅沢に楽しみながら朝食をとるというもの。ツアーの締めは屋外で茶道を楽しめます。広島の美しい朝と文化を同時に味わうことができます。