Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

お金

火災保険料は10月から値上げ 医療保険は本当に必要? FPに聞く保険見直しポイント

公開日:  /  更新日:

著者:橋浦 多美

病気になった時に備えて 医療保険は必要?

 続いては、自分自身の健康に関するお金のことです。医療のお金で真っ先に思い浮かぶのは、「医療保険」という方も多いでしょう。テレビCMなどの広告でも、「入院したら日額○○円、手術で○○円」とよく見かけますよね。

 入院や手術をするともらえるお金ではありますが、入院や手術が必要になるケースは果たして頻発するのか……? という疑問を抱いたことはありませんか? もちろん、年齢などの個人差は大いにあるとしてもです。

 私自身の経験でいうと、この10年、出産以外で入院をしたのは1週間のみ。それも妊娠にまつわるトラブルでした。妊娠中に双子がお腹の中で血流のバランスを崩す「双胎間輸血症候群」という病気になり、レーザー手術を受けたのです。その時は、手術費用が入っていた医療保険の給付対象になり、保険給付金を受け取りました。

 この他に私の周りでは、幸いなことにこの10年で入院した人はいません。また最近は一般的に、簡単な手術であれば日帰り手術、または入院日数自体をできるだけ少なくするという傾向があります。

 そこで忘れてはいけないのは、日本に「国民皆保険制度」という立派な保険制度が存在することです。これにより、日本国民は何かしらの公的健康保険に加入することになっています。

「高額療養費制度」と「限度額認定証」を利用すると

 公的健康保険には、何か大きな治療が必要になり、医療費の自己負担額が上限額を超えた場合、後で払い戻される「高額療養費制度」が備わっています。上限額の計算方法は所得によって異なりますが、一つのケースを例として見てみましょう。

民間の医療保険は本当に必要? 個室を使用する場合などを除き、公的保険が多いに役立つ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
民間の医療保険は本当に必要? 個室を使用する場合などを除き、公的保険が多いに役立つ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

<例>
年齢:70歳未満
所得区分:標準報酬月額28~50万円
総医療費:月50万円(うち自己負担は3割の15万円)

<自己負担上限額の計算方法>
8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%

 これに今回の総医療費50万円を当てはめます。

8万100円+(50万円-26万7000円)×1%=8万2430円

 上記の額(8万2430円)を3割負担で支払った15万円から引きます。

15万円-8万2430円=6万7570円

 結果、この例では6万7570円が戻ってくるのです。公的保険だけでもこれだけカバーされているので、ひとまずは安心だと思います。

 さらに、もしあらかじめ医療費がかかることが分かっているようであれば、「限度額認定証」という制度が使用できます。事前に申請することで、病院窓口での支払いが限度額までになるというものです。そのため、一時的に立て替える必要がありません。