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秋鮭は何が違う? 紅鮭、銀鮭、時知らず、サーモンとの違いも専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

サケの栄養とは 身は赤いが実は白身魚

秋鮭はムニエルにしても美味(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋鮭はムニエルにしても美味(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 サケはタンパク質、脂質、ビタミン類などの栄養をバランス良く含んでいます。オメガ3脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の活性化(記憶力アップ、認知機能低下の低減)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、いわゆる「血液をサラサラ」にし、動脈硬化などの予防で注目されている栄養です。

 この他、サケで注目すべき栄養といえばアスタキサンチンです。身の色から誤解されやすいのですが、サケは白身魚に分類されます。身が赤いのはカロテノイド系の色素、つまりアスタキサンチンによるもの。プランクトンであるオキアミなどをエサとして食べるため赤くなるといわれています。

 アスタキサンチンは、エビやカニにも含まれている成分。強力な抗酸化作用があり、生活習慣病予防、老化防止などが期待されます。美肌にも良いと注目され、化粧品にも配合されている成分です。

 秋鮭(白鮭)は、他のサケと比べると脂が少ないのでカロリーは低めです。日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に可食部100グラム(生)をカロリーが高い順に並べると、トラウトサーモン(ニジマス)201キロカロリー、銀鮭188キロカロリー、紅鮭127キロカロリー、白鮭124キロカロリーとなります。

 和食の定番であるサケは、焼いたり、蒸したり、さまざまな料理でおいしくいただけます。脂が少ない秋鮭だからこそ、バターや油を使った料理がおすすめです。

 塩コショウで下味を付けた後、バターで両面を焼き、仕上がりにしょうゆをかけて。また、塩コショウで下味を付けた後に小麦粉をまぶしてバターでカリッと焼き上げるムニエルなども良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾