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「収穫の時期」に多忙を極める柴咲コウ 「ガリレオ」最新作にも見える今後の姿とは
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14歳で芸能界に入った柴咲コウさん。ヒット作に続々と出演し、さらに歌手としても人気を獲得しています。今年8月で41歳を迎えた現在は、映画監督と実業家の肩書きも増えています。自身の目指す道を着実に歩む姿は、今後も大いに注目すべきでしょう。そんな柴咲さんの映画出演最新作は、熱心なファンも多い大人気シリーズ「ガリレオ」の映画化第3弾『沈黙のパレード』。当たり役の内海薫として、湯川博士(福山雅治)と草薙刑事(北村一輝)の再会を演出します。そうした役どころからも、柴咲さんのこれからが垣間見えるようです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。
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世の中に存在する“役割” 導く者と補佐する者の重要性
世の中にはいろいろな役割がある。状況を見極めてマイナスをプラスへと転じさせたり、ゼロから新しいものを生み出したりと、能動的に物事を良い方へと導く役割があれば、それを補佐する役割もある。
導くものと補佐するもの、どちらが優位だと一概に言えないのは、どちらがいなくてもそのプロジェクトは成立しないからだ。もっと言えばそのプロジェクトを実行していく存在もいなくてはならないもの。そこに上下関係はない。
それぞれのポジションに優劣はなく、あるのは向き不向き。人生においては、この向いているポジション、向いているプロジェクトを選ぶことが大切だ。福山雅治主演、西谷弘監督の『沈黙のパレード』を観ながら、そんなことを思った。
映画『ガリレオ』3作目 湯川と草薙を再び向き合わせた内海
同作は、ドラマにもなった東野圭吾のベストセラー「ガリレオ」シリーズ(文藝春秋発行)3本目の映画化作品。変人かつ天才的な頭脳を持つ物理学者・湯川学(福山雅治)が、未解決事件を科学的検証と推理で鮮やかに解いていくミステリーだ。
「ガリレオ」第1シーズン(2007・CX系)の冒頭、湯川と組んでいたのは、貝塚北署の刑事で大学の同期だった草薙(北村一輝)。彼に憧れて貝塚北署捜査課に配属された新人刑事・内海薫(柴咲コウ)は、警視庁に栄転する草薙の代わりに、翻弄されながらも湯川をサポートすることになる。
『沈黙のパレード』はそれから15年後を描く。第2シーズンでは研修で米国オクラホマへと旅立ち不在だった内海も、今や警視庁捜査一課の刑事。すでに捜査の核となるポジションに昇格しているが、本作では草薙が抱える関連性のある難事件の捜査に湯川の力が必要だと、再び彼らを向き合わせる役割を果たす。
収穫の時期になったらフル回転で動く…今年は多忙な柴咲
そんな今年の柴咲は実に多忙だ。2月に初監督した『MIRRORLIAR FILMS Season2「巫.KANNAGI」』、4月には『ホリック xxxHOLiC』の公開と、ドラマ「インビジブル」(2022・TBS)があった。9月は本作、10月は『天間荘の三姉妹』、12月は『月の満ち欠け』と『Dr.コトー診療所』が公開される。
6本の映画(そのうち1本は監督兼出演)と1本のドラマに出演するのは、準備期間も合わせると目まぐるしい忙しさだったろう。そうなった理由を「まいた種が一時に開いたため」だと柴咲は言う。「人にはできる時期とできない時期があり、そのバイオリズムに則って生きているので、収穫の時期になったらフル回転で動く」のだと。
柴咲は2020年に前事務所を独立し、現在は自身がCEOを務めるレトロワグラース株式会社の所属。同社では、サステイナブルな「衣・食・住」をテーマとしたファッションブランド「ミ ヴァコンス」の事業も手がけている。現在、彼女が“収穫”しているものは、たぶんこの独立とも関係するのだと思う。