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どうぶつ

1999年産のオースミコスモ 繁殖牝馬も引退しエスワンスペクターとほのぼの隠居生活

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

左からオースミコスモ、エスワンスペクター【写真提供:Calm days farm(@calmdaysfarm)】
左からオースミコスモ、エスワンスペクター【写真提供:Calm days farm(@calmdaysfarm)】

 競走馬として現役生活を終え、引退後は繁殖牝馬として9頭の子馬を出産したオースミコスモ。母としての役目も終え、認定NPO法人引退馬協会のフォスターホース(1頭の馬を多くの人が里親として育てる制度)に転身し、北海道浦河町のCalm days farmで余生を送っています。現役時代は2001年にデビューしてから、通算成績は5年で40戦7勝。うち重賞を3勝もしました。オースミコスモの元気な姿が牧場公式ツイッター(@calmdaysfarm)にアップされると、ファンからは毎回多くの“いいね”が。同ファームの渡邊大馬さんに、近況を伺いました。

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エスワンスペクターのおかげで楽しい毎日に

 オースミコスモがCalm days farmに来て、もうすぐ1年を迎えます。環境にも徐々に慣れて、穏やかな生活を送っているそう。渡邊さんは次のように振り返ります。

「来たのは昨年の10月末でした。最初の数か月は落ち着かない日もありました。馬運車から降りて、ここがコスモの部屋だよ、と馬房に入れてあげた初日はかなりの入れ込み(興奮して落ち着かない様子)ようでした。汗をびっしょりかいていたことも数週間に1度ぐらいありましたね。馬房の中でもぐるぐる回ってばかりでしたが、今ではすっかり慣れて丸々としていますよ」

 渡邊さん以外の家族が馬房の前を通ると、耳を後ろに倒して威嚇してみるなど、なかなか落ち着かない日々が続きました。しかし今は、仲良しのエスワンスペクターといつも一緒。放牧地で青草を食べるなど、ほのぼのとしたツーショットがツイッターに投稿される度、多くの“いいね”が付きます。

競走馬として活躍 母としては9頭を出産

青空がよく似合う2頭【写真提供:Calm days farm(@calmdaysfarm)】
青空がよく似合う2頭【写真提供:Calm days farm(@calmdaysfarm)】

 オースミコスモは競走馬時代、40戦7勝。7勝のうち重賞を3勝という立派な成績を残しました。2001年秋にデビューして、2005年いっぱいで引退するまで40戦は特筆もの。まさに無事是名馬です。

 全部で10場あるJRAの競馬場のうち、函館を除く北は札幌、南は小倉まで9場でレースをしました。どこに行っても落ち着いていただけに、意外な姿ではありますが、そこは元競走馬。血が騒いだのかもしれませんね。

 母としては、2008年から2021年までに9頭を出産しました。2021年に産んだ父リオンディーズの牝馬が最後の子となります。産駒からまだ重賞勝ち馬は出ていませんが、これは今後に期待しましょう。

 今はすっかりと落ち着いた様子。猫が近くを通っても意に介しません。また、馬房には時折カラスが訪れます。カラスは、飼葉桶から草以外の食べられるものを頬張っては、オースミコスモの背中でまいて食べているそうです。渡邊さんによると、「コスモはあまり反応しない」のだとか。さすがに、渡邊さんらスタッフがカラスを追い払います。